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お仕事。1
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秋乃side
今日は午後から一件依頼が入っていた。
僕は、仕事をする為に部屋を出ようとすると、
後から白が ちょこちょこ と付いてくる。
「白?どうしたの〜?」
『トイレ、行きたいです』
「部屋に備え付けのがあるから使っていいよ〜?」
僕は、勝手に部屋を出歩かれても困るなと思い、
仕事部屋に白も連れて行こうと
白が戻ってくるのを床に座って待っていた。
『黒〜、おてて拭くの欲しいです』
「ん?あぁ、タオルね〜。ちょっと待ってて〜」
タオルをかけ忘れたみたいで
白は少し困った表情を浮かべながら戻って来た
白の手を拭いてあげて、
そのまま、抱き上げると服にしがみつく
白を怖がらせないようにギュと抱きしめ
そのまま、仕事部屋まで移動する。
「白、僕これから仕事あるから、ここで大人しくしててくれる?そこの本棚の本は読んでいいから」
『はい!』
作業を始めると白は本棚から
何冊か本を抜き取り、静かに読みはじめた。
三時ごろになり、甘いものでも食べて
一休みしようかなと思い白に声をかける。
「白、甘いお菓子食べよ〜」
しかし、聞こえ無いのか白は反応しなかった
仕方なく近づいて行って、ポンと手を頭に置くと
白は跳ね上がるほど驚いて、振り返った。
「白、それ難しいでしょ?」
『面白いです』
「分かるの?それ、難しい医学書なんだけど…」
『はい!』
笑顔で言われた…、
あまりの事に少し放心状態になる。
しばらくして、
白の行動に違和感を感じたのを思い出す。
「ねぇ、白?…もしかして、耳聞こえない?」
そう聞くと、白は可哀想なほど震え
顔もだんだんと色を失っていく。
「怖らがないで、大丈夫…。大丈夫だから…」
しばらくすると震えは治まり、
白は ポロポロ と静かに涙を流し
そのまま、僕の腕の中で眠ってしまった。
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