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ただいま。3
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冬生side
監禁され、痛みや苦しみを与えられ続け
感情までもとじこめて
誰にも助けを求めることが出来なかった。
そんな生活から一転し、
痛みも、苦しみもない世界は
僕にとっては不安でしかなかった。
…痛い
……痛いなぁ…
「ふふっ…、痛い。痛いよ」
僕は血のついた包丁を片手に
傷ついた腕を愛おしく、綺麗だと思った。
滴り落ちる血を舐める……。
急に肩に手が置かれ、
ビクつきながら "バッ" と振り向くと
まだ眠そうにしながらも
すごくキツイ目をした黒が立っていた。
「ねぇ、何してるの?」
「ひぃっ…」
「怯えてないで答えてよ」
いつもと違い殺意が溢れ
"いつ殺されるか分からない" そんな雰囲気だ。
怖い…
あんなに死にたいと思っていたのに…
いざとなると怖くて、怖くて
泣き出してしまいそうになるのを必死に堪えた。
「白、辛いのは僕だ。君じゃない」
「やだぁ…、やめて…許してぇ……ひくっ…」
「……チッ」
あり得ない記憶と混ざり
色彩と暗闇とが目の前で点滅する…
意識は朦朧とし、
手に持ったままの包丁を振り上げ
そのまま自分の腹部へと突き刺した。
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