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トライアングル -6-
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「あっ…、っんん……あん、やっぁあ…ぅ」
興本に髪の先から足の爪先まで全身を洗われ、特に後孔は時間をかけて入念に洗われている。
「声大きくなってるぞ」
俺の中に指を突っ込んだまま興本が囁いた。
慌てて手を口にやって塞ぐものの、片手が不自由になったことで体のバランスが崩れただけだった。
興本は俺の体を支えるように正面から抱きかかえ、膝の上に俺を乗せている。だから俺は興本の胸に縋るしかなく、手から漏れ出る声を抑えようと興本の肩に顔を埋めた。
濡れた興本の指が俺の髪を撫でつけ、反対の手は相変わらず俺の体の中を弄っていた。
普段なら既に指の数が増えていても良い頃なのに、今は洗っているという名目上の為か未だ人差し指を入れてからそれ以上の変化はなかった。
もうすでに興本の人差し指もふやけ切っているだろうに、孔を広げようとする気配すら見せないでいた。
「ぁ…おきもと…も…ぅ…っや…ぁ…」
指を入れられてから次の刺激を期待している俺の体は、一向に訪れないそれに必死に耐えている状態だった。
俺自身の手は興本にしがみ付くことに必死で自信を慰めることもできない。
頼るのは俺の体を弄んでいる興本しかいないのに、興本は時折口づけを耳や頬に落とすだけで、肝心な刺激は何もしてこなかった。
「ん? 俺の腹に擦り付けて、かーわい。どうしてほしいの?」
興本が動かす指に合わせて自然と揺れる俺の腰は、いつの間にか勃起しているソレを興本の腹に擦り付けていたらしい。
指摘されて恥ずかしくなるが、腰が動くのを抑えられなかった。
「触って…おきもと…俺の、触って…」
大きな声を出すまいと口を手で押さえたまま俺は懇願する。
くぐもった声でも密着したこの距離で、興本にははっきりと聞こえていたはずだ。
「うん? よく聞こえないなぁ」
言って、興本はゆっくりと孔の中をぐるりと撫でた。
「ふ…あ…っ、」
優しい愛撫にゾクゾクと快感が走る。
「ふふ。可愛い顔してる」
髪を撫でつけていた手を止め、顔を覗き込んできた興本は満足そうに笑っていた。
自分がどんな顔をしているかなんて分かるはずもない俺には笑みを向けられた意味も分からないが、整った顔立ちの興本の笑みは思わず見惚れてしまうほど格好良かった。
「そろそろ綺麗になっただろうから、出ようか」
「え…」
戸惑う俺をよそに興本はあっさりと指を引き抜き、軽くシャワーを浴びせて立ち上がった。
「出ないと逆上せるぞ」
興本は俺の手を引いて浴室から出ると、何事もなかったかのようにバスタオルで自分の体を拭き始めた。
俺が状況についていけなくて呆然としている間にシャツとパンツを着た興本は、振り返って今度はまだ濡れたままだった俺の体を拭き始めた。
促されるままパジャマに着替え、リビングへと戻る。
「お風呂あがりました」
「はーい。ゆっくりつかれた?」
「はい。先に失礼しますね」
父さんと母さんに声をかけた興本は、手を繋いだまま顔だけ出したあと、すぐに2階へと上がっていく。
俺の部屋へ入った興本は、するりと俺の手を離してベッドに腰を下ろした。
「どうした?」
ドアの前で突っ立ったままの俺を見上げて興本が微笑む。
「おいで」
呼ばれて初めて、俺の体はようやく動き出した。自分でそう意識しているわけではないけれど、どこかで興本の指示を待っていたのだろう。
「興本…あの、俺…」
俺の股間はまだ熱を持ったままだった。
後孔は意識すればするほど物足りなそうにヒクヒクとしている。
「長風呂したから疲れただろ。もう寝ようか」
俺が言いだせずにいると興本は布団の中へと入ってしまう。
まだ寝るには早い時間だから、これが興本の本音とは思えなかった。
俺は慌ててベッドへ乗った。
「興本、待って」
「なに?」
横になった興本の腕を掴み、俺は恥ずかしさを堪えて言った。
「だ、抱いて…」
一瞬興本が驚いたように目を開いた。
羞恥心で手が震えるも、俺は興本に強請る方法しか思い浮かばなかった。
ただその強請り方があまりにも直接すぎたと、興本の表情が変わったことで後悔した。
「おじさんもおばさんもまだ起きてるよ?」
言い直そうと少し考えている間に、興本は驚いた表情をすぐに消し、意地悪そうに笑って言った。
「それに今お仕置き中だから。ちゃんと我慢しな」
そこでようやく、なぜ自分がこんな状況に置かれたのかを思い出した。
我慢しろと興本が言ったのだから、俺はこれ以上何も求めることは許されなかった。
それを理解するのと同時に、体の奥の疼きが余計に意識された。
興本の手に誘われて布団に入り、興本の隣で横になる。
いつものように興本の腕に抱き込まれながらも、俺の体に灯った熱は発散されないまま、夜を過ごさなければならない。
だからせめてもと興本の胸にすり寄るが、抱きしめられる温もりは俺の体の疼きを助長させるだけで、結局は眠れない夜を過ごすことに変わりはなかった。
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