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奇病(続)
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コンコンー
トド松
「デカパン居る…?」
ドアをノックして、
声をかけて見る。
少しして、
ドアが開いてボクと一松兄さんは中に招き入れられた。
デカパン
「どうしたんダスか?」
トド松
「実は…」
机の上に持ってきた宝石を置いて、
取り敢えず事情を話した。
デカパン
「……ワスも初めて見る病状ダスな」
「ちょっと調べて見るダス」そう言って
デカパンは奥に言ってしまった。
ボク達はデカパンが帰ってくるまで、
部屋で待たせて貰う事にした。
トド松
「大丈夫…かな…」
一松
「……」
トド松
「一松兄さん…?」
一松兄さんは何も言わず、
ボクの隣に座ってくれた。
トド松
「……ありがとう」
一松
「……別に」
素っ気なく返ってきた言葉のはしに、
優しさを感じて、ボクは嬉しくなった。
───────
デカパン
「大変だスよ…!!」
少しして慌てた様にデカパンが帰って来た。
トド松
「なに?…どうしたの??」
デカパン
「新種の病ダス…」
一松
「新種の?」
トド松
「病…?」
デカパンの言葉が俄(ニワカ)には信じられなくて、
一松兄さんと顔を見合わせる。
デカパン
「蝶脆症(チョウカショウ)。
名前を付けるとするなら、こうダス…」
トド松
「蝶脆症…?」
一松
「それ…治んの…?」
デカパン
「……」
デカパンはそのまま黙り込んでしまった。
部屋に沈黙の時間が流れる。
トド松
「そんな…」
一松
「……トド松、」
自体が飲み込めなくて、
項垂(ウナダ)れていたボクに一松兄さんが声を掛ける。
トド松
「……」
言葉も出なくてただ呆然と見つめるボクに、
一松兄さんは手を差し伸べた。
一松
「…取り敢えず、帰るよ」
トド松
「っ…うん」
デカパンから、宝石を返して貰って家へ向かう。
念の為に治療法とか詳しい事がわかるかも知れないからと、
少しだけ宝石は置いてきた。
トド松
「大丈夫…かな」
一松
「……大丈夫だよ…きっと、」
一松兄さんに手を引かれて、
ボク達は家へ向けて歩き始めた。
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