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薄暗くなった帰り道をれーくんと二人で歩く。
れーくんを見ると、抱きしめられた時に香ったれーくんの汗の匂いや火照った体の熱が忘れられなくて、カァッと顔に熱が集中した。
「広翼」
「わっ!?…えっ、なに??」
「マネージャー、やっていけそう?」
「うん!千早先輩すごく優しいし、他の先輩達だってすごく気さくだし楽しくなりそうだね!」
「そうだね。でもちょっと俺は広翼が心配だよ」
「心配…?僕そんなお仕事できなさそうかな…」
「違うよ、バカ…」
れーくんの言葉に不安になってれーくんを見上げると、手をギュッと握って、ぷいっと顔を背けられた。
「俺以外の人に隙見せちゃダメ。」
「え…?」
街灯に照らされるれーくんの横顔は心なしか赤く染まっていて、僕の心臓はドクドクと早鐘を打った。
繋いだ手はそのままに、僕たちは無言で帰路を歩いた。
れーくんの手から伝わる熱に意識が向いていつもより緊張して動きまで硬くなり、不自然な歩き方になった僕を見て、れーくんはプハッと吹き出した。
「な、なんで笑うの!」
「いや、広翼可愛すぎて。無言だから緊張した?すごく可愛いんだけど」
「男なのに可愛いとか嬉しくないよ…」
本当はれーくんに「可愛い」って言われるのはすごく嬉しいけど、少しでも自分の恋心がバレないようにと嘘をついた。
れーくんは僕の言葉なんて気にせず、「可愛いなぁ」と僕の髪に指を絡めながら歩みを進めた。
れーくんの家よりも少し先にある僕の家まで送ってくれて、僕が家に入るのを確認してかられーくんも家に帰っていった。
まだ少し火照る顔の熱を手で扇いで治めてからリビングへ向かうと、お母さんがキッチンで料理をしている最中だった。
「ただいま」
「広翼、おかえりなさい。もう少しで夜ご飯できるからちょっと待っててね」
手を洗ったり制服を脱いだりしていたら、もうダイニングテーブルには夜ご飯が並んでいた。
今日も彩りのいい美味しそうな料理がたくさん並んでいる。
いただきます、と手を合わせてから食べ始めると、お母さんが「紫音ママとお話したよー」と、昨日のお泊まりのことや学校のことを聞かれた。
バスケ部のマネージャーをすることを伝えると、お母さんは「いいじゃない!」と喜んで、僕にこれから料理や裁縫も教えてあげると意気込んでいた。
お母さん曰く、好きな子には他の人に内緒で特別なものをプレゼントするといいらしい。
僕はお母さんの恋愛講座を聞きながらご飯を食べ終え、着替えの準備をしてお風呂に向かった。
寝る前に部屋でノートを取り出し、今日千早先輩に教えてもらったことを綺麗に纏めてから、電気を消して布団に潜った。
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