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落し物を拾うと、それは学生証らしかった。
れーくんがそれをぺらっとめくる。
「工藤あかね、四葉学園高等部一年生…ってことは、姉妹校の先輩だね。四葉学園なら学校に言えば届けてくれるかな…?」
僕はそう言って悩んでいるれーくんを見ながら、少し胸がチクチクと痛んでいた。
さっきの女の人、綺麗だったな。
短いスカートからはスッと細くて白い長い脚。
顔も今まで見てきた女の子より整っていたし、胸もあった…。
僕より身長は高かったし、去り際に女の子らしい、フワッとしたいい香りがした。
れーくんはもしかして今の人に惚れちゃった?
なぜかそんな不安に襲われる。
あんなに優しくしたら、誰だってれーくんのこと、好きになっちゃうよ。
さっきの人だって、顔を赤くしてた。
嫌だな…。
れーくんを好きになってほしくないな。
付き合ってもいないのに、こんな感情を抱いてしまう自分がすごく嫌いだ。
「広翼?またぼーっとして。何かあった?俺でよかったら、相談乗るよ」
「ううん…、何もないよ。もうこんな時間だし、いこ」
時計は6:50を指していた。
7時には部室に着かないと、千早先輩が待ってる。
自分に言い聞かせて、走るように学校へ向かった。
僕はさっきのことを忘れたくて、部室に着くまでれーくんと目を合わせなかった。
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