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2章〜新緑と雨〜
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中学校生活にも慣れ始めた頃、
気温は夏に向けてだんだんと暑くなってくる。
そして連日の雨つづき…。
「いややぁ〜〜。白雪ちゃん…、今日も雨……っ!!今日も筋トレ…………。いややあああああ!!!」
「ちょ、桜井くん…。落ち着いて…」
「なんでや…。湿気で髪の毛も調子悪いし、サッカーもできへん…。梅雨嫌いやぁ〜」
雨でジメッとしているのに、桜井くんは僕の背中に引っ付いてくる。
あ、暑い………。
「こら、桜井。広翼が困ってるでしょ」
「あ、れーくんっ」
バスケ部の先輩に呼び出されて席を外していたれーくんが帰ってきて、ベリっと僕の背中から桜井くんを剥がした。
「にしても暑くなってきたね。雨も多いし」
「王子もそう思うやろ〜?あーあ、はよ梅雨明けへんかなぁ」
れーくんが帰ってきて僕に構うことを諦めたのか、桜井くんは悲しそうに窓の外を見つめていた。
そして、れーくんは思い出したように僕に紙を渡した。
そこには【夏合宿のお知らせ】と書いている。
「晴人先輩に呼び出されて行ったんだけど、その時に千早先輩が広翼に、って。部員には後で配るらしいけど、マネージャーだし、今日の部活で合宿のことで説明したいから、部活までに読んでほしいってさ」
「そうなんだ。ありがとう、れーくん」
「どういたしまして。ついでに俺も読んでいいかな?」
「いいんじゃない?」
授業までまだ時間があることを確認して、僕たちはお知らせの紙に目を通した。
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