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「へぇ。海が近くにあるんだね」
れーくんが行き先を見て、少し驚いたようにそう言った。
「部員のリフレッシュを兼ねてるらしいよ」
「え…?足立くん!」
第三者の声が聞こえて顔を上げると、隣には足立くんが立っていた。
「どうして知ってるの?」
「先輩に聞いた。毎年、海で女の人をナンパするのが恒例らしい。けど、先生にバレたら次の年から行き先変更になるかもしれないから、場所発表されても変なこと言うなよって念押しされた」
足立くんは隣の空いてる椅子に腰かけ、僕たちの会話に入った。
足立くんは同じバスケ部で同じクラスだけど、クールっぽくて少しこちらからは話しかけにくい。
バスケ部の連絡とかも、れーくんがしてくれてるし…。
本当はマネージャーである僕がするべきなんだけど。
だから、今まで話した回数も片手で数えるほどかもしれない。
「でも海かぁ。みんな運動神経いいし、遠泳とかするのかな?」
「神谷は?泳ぐの好きなの?」
「いや…、僕は海は見てるだけでいいかな…」
足立くんに質問されて、僕は答えを濁す。
昔、れーくん家族と僕の家族で海に行ったことがある。
その時、はしゃいでた僕は、急に足元が深くなって溺れちゃったんだよね…。
それから海は怖いし、苦手。
僕の表情が曇っていたのか、れーくんが軽く頭を撫でてくれた。
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