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「キャーーーーー!!!!!やだやだやだこわいぃぃい!!!!」
どこからか突然水が飛んできたり、ほっぺたに急に冷たいフニフニしたのが当たったり、足を誰かに掴まれたり、とにかくもう無理!!!!
その度にれーくんにしがみついて足をすくめるが、この長いお化け屋敷でこんなしょっちゅう立ち止まっていたら、もちろん出口に着くのもまだまだかかるわけで。
「広翼、さっきからお化けじゃなくて脅かされてるだけでしょ?誰かがやってるだけだよ」
「グスッ……、でもっ……!なんで僕のことびっくりさせるの……?」
「泣かないで…、ね?ほら、抱っこしてあげるから」
怖くて泣きながら鼻をすすっていると、れーくんが背に回した手と膝裏にも手を回し、僕のことを抱き上げた。
お、お姫様抱っこ?!
恥ずかしい…っ。
でも……
「ちゃんとつかまっててね」
「うんっ…」
すごく安心する。
れーくんの匂いと温もり、鼓動の音、しっかり僕を支えてくれてる手の感覚、全てが僕を安心させた。
いつの間にか涙も止まっていて、気付いた頃には外の光が見えてきた。
「広翼、ゴール見えてきたよ」
「うん。ありがとう」
れーくんの首に手を回してギュウッとくっついてお礼を言うと、れーくんの僕を抱きしめる手にも力がこもった。
「お疲れ様でした〜!って、海堂くん?」
「あ、千早先輩。お疲れ様です」
抱きついてるうちに外へ出ていたようで、ゴールからは千早先輩の声がした。
この格好、この状況全てにおいて見られたくない。
僕はれーくんの肩に顔を隠したが、千早先輩のことだ。
あっさりバレてしまった。
「海堂くんがお姫様抱っこしてるってことは広翼くんだよね?こんな可愛い格好しちゃって〜。今日のミスコンの衣装?」
「そうですよ、可愛いでしょ。千早先輩の服もミスコンのですか?」
「僕はミスコン前にまた着替えるよー。これはクラスの奴らの趣味っていうか…。色々着せたい衣装があるらしくて」
千早先輩は白いブラウスのヒラヒラを掴みながら、困ったように笑った。
「それより広翼くんこっち向いてよ〜!すっごく可愛いのに!」
千早先輩に声をかけられるが、ブンブンと首を横に振る。
こんなの見られたくないっ!
「ていうかギャラリーすごいね。みんな広翼くんのこと見てる」
「そうですね。気に食わないのでもう行きますね。千早先輩もミスコン頑張ってください」
相当なギャラリー数がいたのか、れーくんは千早先輩に軽く挨拶をしてその場を去った。
僕は顔を上げようとしたけど、れーくんに押し付けられてそのまま顔をれーくんの肩に埋めていた。
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