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ぽろぽろと溢れ出す涙を、れーくんが指で一つずつ掬っていく。
「ごめん。やっぱり嫌だった?」
悲しそうに眉を下げる彼の表情を見て、自分が泣いてることで勘違いさせてるんだと気づく。
ぶんぶんと首を横に振って、嫌じゃないよって伝えようとしても涙は止まらない。
「無理しないでハッキリ言ってくれた方が、俺も気持ちが楽になるよ。嫌なら嫌って、ちゃんと広翼の口から返事が欲しい」
れーくんに勘違いさせてる。
勘違いされるのなんてやだ。
こんなに嬉しいのに。
「………………き」
「え…?」
「ぼ……くもっ……、れ…ぇくんが…好き……っ!」
詰まる声を押し出すように気持ちを伝えた。
れーくんは信じられないような顔をするから、僕はれーくんに抱きついた。
「幼稚園の頃からずっと好きっ!いつもドキドキしてたし、れーくんと一緒にいれるのが幸せだった!」
「ちょ……、え?」
れーくんの懐に入った安心感と、目線が外れて緊張が解けたのか、スラスラと言いたいことが言えた。
全部、全部伝えたい。
「さっきもキスしてくれたのすっごく嬉しかったし、き………、気持ちよかった…っ!れーくんに名前を呼ばれるのも、頭撫でてもらうのも、ギュってしてもらうのも、全部好き!れーくんが大………っ!!」
『大好き』
そう伝えようと思った僕の声は、れーくんの唇に吸い込まれた。
温かい唇が重なる。
あぁ、幸せだなぁ。
息が苦しいけど、この唇を離したくなかった。
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