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れーくんはあまり食べるペースが変わらないけど、お風呂の時間大丈夫かな?
れーくんの顔を覗くように見ると、目が合ってしまって思わず逸らす。
「広翼と一緒に入るから後でいいよ」
「え?」
「お風呂。みんなと時間ずらそう」
当たり前のようにそう言われるものだから、なんだか恥ずかしい。
だって、それって2人だけで入ろうって事だよね?
嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいな…。
赤くなって俯いていると、千早先輩がれーくんに「ごめん」と言った。
「海堂くん、ごめんね。マネージャーは明日の朝食の支度があるから先に入っててくれるかな?」
「え、いや…、俺待ちますよ」
「あー、えっとね、マネージャーだけお風呂の時間をみんなとはずらしてるんだよね、意図的に。だから海堂くんだけその暗黙のルールを破って、二年生や僕以外の三年生からとやかく言われるのは嫌だろうし…」
「あー…、そうなんですね。じゃあ俺も入ってきます。広翼、また部屋でね」
「うん…」
れーくんも食器を持って台所の方へ行ってしまった。
ちょっと期待しちゃった…、なんて。
合宿中だしマネージャーの仕事をすることが最優先なわけで、僕のわがままで先輩やおばあちゃんに迷惑をかけるわけにはいかない。
でも同じ部屋だし、後で会えるからそれだけでも嬉しいな。
「さ、僕たちも食器洗って明日の準備しようか」
「そうですね。ご馳走様でした!」
食事を終え、パンっと手を合わせた。
台所へ行く途中、お風呂から上がって体から湯気を立てている先輩たちとすれ違う。
ホカホカでとっても気持ち良さそうだ。
「あ、千早先輩〜!今年もお風呂は別で入るんですか〜?」
「うん。ごめんね」
「広翼も?」
「そうだよ。マネージャーだけ別の時間に入るね」
「ちぇ〜。せめて広翼の裸くらい〜って期待してたのになぁ」
先輩にニヤッとした目で見られて、僕は苦笑を浮かべた。
揶揄われているのは分かっているけど、何せ相手は先輩だし流し方が分からない。
僕が困っているのに気づいた千早先輩が適当に流してくれて、台所へまた足を進めた。
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