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「あの…さぁ……」
後ろから申し訳なさそうな声が聞こえて、僕はハッとした。
足立くんと同じ部屋なんだった!!
「ご、ごめんっ…!」
「いや、いいんだけどさ。おまえら付き合ってるの?」
「え…と……」
「偏見ないから、正直なこと言ってくれていいよ」
足立くんは僕の目をまっすぐ見てそう言った。
その瞳を見て、足立くんなら大丈夫だって、直感でそう思った。
「付き合って…ます……」
「そか。教えてくれてありがと」
他の人に言うのはすごく緊張するし、気持ち悪がられたらどうしようって不安になるけど、足立くんは僕たちのことをスッと受け入れてくれた。
僕たちを初等部から知っている人なら僕たちがずっと一緒にいるっていう経緯を知ってて受け入れやすいかもしれないが、足立くんは外部生だから変に思われると思ってた。
普段はあまり笑ってるところを見ないし、あまり話すこともなくて、寡黙な人なのかなって思ってたけど、さっきの笑顔はすごく優しかった。
偏見を持ってたのは僕だったんだ。
「海堂、幸せにしてやれよ」
「うん、当たり前でしょ。ほら広翼、これ着て」
れーくんは鞄から薄手のパーカーを取り出し僕に着せた。
それを見て足立くんが笑う。
「俺らしかいねーのに」
「足立がいるじゃん」
「なに?俺が神谷のこと取るって?」
「可能性はあるでしょ?」
れーくんがパーカーを着た僕のことを優しく抱きしめる。
足立くんはクスクス笑いながら、れーくんと話していた。
僕は一日の疲れと、れーくんに抱きしめられてる安心感でだんだん意識が薄れていき、いつのまにか眠ってしまった。
「おやすみ、広翼」
意識が完全に落ちる直前、優しくそう聞こえた気がした。
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