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「「「「終わった〜〜〜〜!!!!!!!」」」」
午後6時、
体育館に部員の雄叫びが響いた。
何人かは体育館を出て、山に向かって叫んだり、飛び跳ねて喜んだりしている人もいた。
走り込みに連続ゲーム、体力作り…。
マネージャーとして見てるだけでもしんどそうなメニューも三日も頑張ったのだから、これくらいはじけて当たり前なのだろう。
「お疲れ様。ゆっくり休もうね」
「ありがとう」
れーくんにタオルとスポーツドリンクを渡すと、爽やかな笑顔で受け取ってくれた。
あ、なんか今の僕、彼女っぽい?
「広翼〜!!スポドリ俺にも寄越せー!!」
「ご、ごめん!待って〜」
浮かれてたら他の一年生の部員にも呼ばれて、急いで渡しに行った。
そのまま肩を組まれて捕まってしまう。
「なぁー、最後くらい一年全員で風呂入ろうぜ。明日の朝飯の準備くらい俺らも手伝うしさぁ」
「ほんとだよ。広翼だって一年の仲間なんだもんな、おまえだって一緒に入りたいだろ?」
「え…と……、僕は………」
たしかに一緒に入りたいかと聞かれたら入りたい気もする。
一年生のみんなは僕に変なこと言ってこないし、たぶんれーくんだって…。
そう思ってれーくんを見たら結構不機嫌そうな顔をしてた。
だ……、ダメかな?
「あ!明日も海の近くに温泉あるって行ってたし、そこみんなで入ろうよ!今日は千早先輩と話すこと決めてるんだ!」
「えー、そうなの?まぁ明日でもいっか…」
みんな残念そうに口を尖らせて、肩に組まれていた手が離された。
わー、千早先輩を断る口実に使ってしまった…。
目線の先では千早先輩が手招きしている。
いや、きっと先輩のことだから怒ることはないだろうけど呼ばれてるし行ってみた。
「ありがとう」
「え?なんでですか??」
開口一番にお礼を言われて困惑する。
「もし広翼くんがみんなと入るってなったら、僕も三年生と入ろうってなっちゃうでしょ?晴人の機嫌悪くすると後が大変だから」
「なるほど…」
独占欲っていうのも時には大変なんだなぁ。
嬉しいものとしか思ってなかった。
千早先輩は「またあとで」と、晴人部長のところへ行ってしまった。
僕もれーくんと一緒に民宿へ戻った。
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