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そんなことをしているうちに練習が始まる時間になり、コーチが入ってくる。
その人は、彼らには劣るが、それでもものすごくかっこいい男の人だった。
「初めまして、花谿悠莉です。今日からよろしくお願いします!」
「あら、あなたが悠莉ちゃん?可愛い顔してるじゃない!」
………オ、オネェ、なの?
かっこいい人だからこそ、すごい衝撃的だ…。
「あたしのことはこんちゃんって呼んでね?」
「本名は近藤雄二郎だけどね!」
「こら!拓ちゃん余計なこと言わないの!」
たっくんが怒られてる……。
本名は顔に似合ってて、すごく男らしい。
イケメンオネェのこんちゃん、か。
なんか、濃いなー。
とか考えていたら、
「悠莉ちゃん、あなたのことは社長から甘やかさないようにと言われてるけど、あたしの指導は厳しいわよ?」
「…はい!ご指導よろしくお願いします!」
社長の息子って聞くと態度が変わっちゃう人がいるけど、そんなことがなさそうな人で良かった。
俺はこれからの練習に期待して、バッと頭を下げた。
「それじゃあ練習を始めましょうか。えーっと、悠莉ちゃんには俊くんのパートを覚えてもらわなきゃいけないんだけど、どうしようかしら?今日は私しかいないし、さすがに悠莉ちゃんにつきっきりって訳にも、」
「あの、その…俊、さん?がうつっている動画とかありませんか?」
俺は前に言ったけど、動画を見ればだいたい振りは覚えられる。
だから、誰か持っていたらと思い聞いてみると、
「僕持ってますよ?スマホに入ってるから、今出しますね。」
さすが伊吹くんだ。
「はい、これです。」
「ありがとうございます!僕、これがあれば多分大丈夫なんで、こんちゃんはそっちについていてください。」
「本当に大丈夫?」
「はい!」
そう返事をした俺は、とりあえず今はスタジオの端を借りて、振り覚えに集中することにした。
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