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「ふぅ〜〜〜〜……」
俺は深く息を吐き、スマホの画面に集中する。
俊くんっていうのは、きっと、この人なんだろうなと思い、じっと観察した。
その間も、踊っている人の後を追うように手や足を軽く動かして、シャドウィングで覚えていく。
やっぱりちょっと難しくて、少しわかりにくいところは横で踊っている彼らを見て、自分のダンスに修正をかけていった。
「……よし、覚えた。」
俺は、次は彼らと一緒に後ろで踊ってみようと思い、準備をする。
……踊るときに誰かがいるって、久しぶりだ。
同じ曲で誰かと踊るのも久しぶりだ。
そんなことがなんかくすぐったくて、
「……ドキドキする。」
〜〜♩♪♫♩♬
曲が始まる。
俺はその音に、目を閉じて感覚を研ぎ澄ませ、1つ1つの音に自分の体を、リズムを乗せていく。
……楽しい。
いつも踊ってるときに聞こえてくるのは、俺の足音と、音楽だけだった。
でも今は、他の4人の足音が、息遣いが聞こえてくる。
その音がパッとそろった瞬間はすごく嬉しい。
…やっぱり誰かと踊るのって楽しいな。
〜〜♫♩♬♪♩〜。
…曲が終わった。
俺はふぅ〜と息を吐き出し、ずっと閉じていた目をパッと開けた。
「すごい!!ゆうくんすごいね!!!!!」
その途端に、たっくんにガシッと抱きつかれる俺。
びっくりして支えきれずに座り込むと、
「想像をはるかに超えてきましたね……」
伊吹くんが俺を見てそう呟く。
「お前すげぇな!10分もかからずに振り覚えてるし、こんなんだったら、迷惑なんかじゃなくて、むしろ即戦力じゃねーか!」
そして龍さんは、……やっぱり俺の頭を撫でる。
褒められることに慣れてない俺は、どう反応していいのか分からなくて、されるがままになる。
「悠莉ちゃんも大丈夫そうだし、もう入ってみる?」
こんちゃんが、そう声をかけてくれる。
「はい!」
俺はそういって、あいつと伊吹さんの間に立った。
そのまま振りを合わせていって、気づけば、休憩を挟みながら、5時間ほど練習していた。
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