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俺はあの日、1度お昼を誘ってもらったときから、毎日医務室に通っている。
拓真さんの話が面白いのも、毎日美味しいケーキを分けてくれるのもあるけど、何より、拓真さんには今、俺の相談に乗ってもらっている。
「…で?結局、姫は祐樹のことが好きなんでしょ?」
「ち、ちがうよ!そんなの絶対ありえない!!」
相談の内容というのは、何を隠そう、あいつのことである。
なんでか、初めてあった日の夜や、スタジオで倒れた日のことを思い出すと、俺は胸がギューってなる。
こんなの初めてで、どうしていいか分からなくて、でも、たっくん達に話すわけにもいかなくて、困ってたところに拓真さんが現れた。
俺がΩなことも、あいつとの関係も、今まであったことも自然と拓真さんには話せて、拓真さんも一生懸命話しを聞いてくれたんだ。
…でも、拓真さんは昨日からずーっとありえないことを言ってる。
「それだけは絶対ないもん!」
「だって姫さ、祐樹の顔見たり、側に行くとドキドキするんでしょ?」
「それは緊張してるだけ!」
「ふとしたときに祐樹のこと考えてるんでしょ?」
「それは毎日あいつがムカつくこと言ってくるからだって!」
「…祐樹の匂い嗅ぐと、エッチな気分になっちゃうんでしょ?」
「そ、それは、仕方ないんだもん…!」
拓真さんに相談をしてから、ずーっとこの繰り返し。
絶対、絶対違うのに。
…もし、もしだよ?
俺がほんとはあいつのこと、そういう風に思ってたとしても、あいつはΩで男の俺のことなんか、気持ち悪いって思ってるんだろうから、こんなのただの迷惑だよ…。
「んぅ〜……」
俺は考えすぎて頭がこんがらがっちゃって、机に顎を乗せて唇を尖らせ、小さな声で唸っていると、
「あんま考えすぎちゃダメだよ?…それに、そんな可愛い顔してたら、俺が食べちゃうよ。」
その言葉と同時に俺の目の前にグッと拓真さんの顔が近づいてくる。
俺はびっくりしすぎて動けなくて、いつのまにか拓真さんの顔が俺のギリギリまでくる。
「姫、よけないの?」
ーーーーバンッ!
拓真さんの言葉を遮るように、突然ドアが勢いよく開いた。
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