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次の朝、要の予告どおりに本当に撮影場所にいる。
そして山田監督に声をかけられる。何を言われるのかは想像がつくが…
「椿くん、彼、君の双子なんだって?しかも昔俺この子と会ったことあるし。小さい頃よくモデルとかしてたよね。要くんだっけ?なんか椿くんとはまた違う魅力があっていいね〜。」
「はい、ありがとうございます!僕今日は見学をするんで、ね?椿?」
そう聞かれても何も答えられない。
「…」
「ああ、いいよいいよ、見学してって!今回のドラマも最っ高に仕上がる予定だよ!」
「はい〜」
要は人に可愛がられるのが上手だからすぐに人と馴染める。
これならまだ七瀬美香の方がいい。
彼女は誰にだってああだけど彼の場合は裏表がめっちゃくちゃあるからだ。
好きとか言っている人には実は裏では大っ嫌いとか言ってるし。
椿の前ではあんな可愛くはならずに人をバカにする腹黒だ。
「じゃあ椿くん、君の手の怪我も治ったことだしこの間取れなかったところを撮っていこう!」
「はい。」
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今椿がとっているシーンは永倉陽が一人で学校生活を送っているシーン。いつも一緒にいた仲良しの二人とは一緒にはいない。そんな場面を取っているが要がめちゃくちゃ見るので非常にやりずらい。
しかも睨んでいるような目つきだ。
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「はい、カットー」
この数分で一気に疲れた気がする。
はぁとため息をつくと「あっ明弘さん!どうも、見学させてもらっています❤︎それと…七瀬美香さん?椿の双子の秋原要です!」要が椿が終わった瞬間相沢明弘と七瀬美香に声をかけ始めた。
多分あの様子では七瀬美香にも年下の弟みたいに可愛がられるだろう。
「へぇ〜要さんでいいかな?❤︎ よろしくお願いします❤︎うふふっ私てっきり秋原さんは一人っ子だと思っていました❤︎だから双子なんて珍しいし意外です❤︎」
「確かにそう思われがちだよね!」
そんな会話を遠目にしながら台本を見る。
もう台本は何度も読んだので大半は覚えている。それでも何もすることがないので、ただひたすら暗記する。
遠くで要がはしゃいでいる姿がうるさくて仕方ない。
それについに椿がキレたのか、椿は立ち上がって要の方に歩いて行く。
「ん、なに?」
と冷たい目線で言うもんだから自分も冷たい目で「うるさいんで、黙っててくれます?」
と言い返した。
「何で椿に言われないといけないの?ていうか僕がはいじゃあ静かにしますなんて言うとでも思ってんの?」
「でもここは遊ぶ所じゃなく、仕事をする所なので。」
「…。」急に要は冷たい目から可愛い系になって頬を膨らませる。「ちょっとテンションが上がっちゃっただけだもん!そんなに怒らないでよね!要、困っちゃうんだから。」なんて言う自分の双子に呆れる。
「まあしょうがないじゃないですか❤︎」
そう七瀬美香に言われたので静かに自分の元居た場所に座る。
本当に要は迷惑…
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