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再会
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あの時、本当の気持ちをキミに伝えれば
別れることはなかったのだろうか。
ずっと後悔ばかりしていた。
高校時代付き合っていた恋人は
どこか儚げな綺麗な顔の男だった。
でも、この不安定な恋は長続きしないだろうと心のどこかで思っていた。
3年のクリスマス1週間前ほどだったか、
その頃に喧嘩別れをしてしまった。
あの時、ちゃんと気持ちを伝えていればとずっと後悔していた。
卒業したらもう絶対に会うことは無い
だろうと思っていたのに...
再会できるなんて、夢を見ている気分だった。
「朔....夜」
「宏人...??」
嬉しくて仕方が無い。
なんなら、泣きだしそうなくらいだ。
「コラボ商品の会社って宏人の会社だったんだ。あ、これ名刺!カッコイイだろ?」
高校時代より少し背が伸びて、
顔立ちも大人びた気がする。
綺麗なのは相変わらずだが、
色気が出たな....
「あ、俺のも...」
「ありがとう。これからよろしくお願いします、神田さん?」
「よ、よろしくお願いします。今野さん。」
俺たち2人が高校の同級生だと知った会社は、仕事を率先して回してくるようになった。
「あ、神田さん。この件ですが、もう少しこの辺とか改良できませんかね?」
「んー、、、じゃあここを削減して、この素材を増やしましょう。」
「わかりました。ありがとうございます。」
仕事中はタメ口厳禁。
敬語で話すことに違和感しかないが、
2週間もすれば慣れたものだ。
仕事が終われば、2人で飲みに行くことも多くなった。
「今日はデザイン仕上がってよかったな。承諾も取れそうだし。」
「うん。これも宏人のおかげだよ...ありがとう。」
朔夜はお酒が弱く、酔うとやたら素直に話をするので俺は不意にドキッとしてしまう。
高校の頃は何度も朔夜を抱いたのに、
大人になった朔夜を見ると、雰囲気が変わってやたらエロい。
薄いシャツの下に透ける白い肌が、
俺をドキドキさせる。
「あのさ...付き合ってた時の事なんだけど...」
「...ん?」
色っぽい視線に含んだ笑み、
唇を少し噛む仕草が堪らなくなる。
「あの時...俺、正直に言えなかったけど...ずっと朔夜が好きだった。ちゃんと好きだったんだ。他のやつなんてどうでもいいと思えるくらい。」
グラスに触れる指が、結露を拭っている。
「...そっか。....嬉しい。俺、あんな酷いこと言って別れちゃったけど..俺もずっと好きだった。でも、もう昔のことだろ?気にしなくていいから...」
「いや、俺は今でも...」
隣をみると、朔夜は眠ってしまったようだ。
「今でも好きだ....朔夜」
この言葉が言えるのは、まだまだだ。
朔夜の住んでいる場所が分からないため、
宏人は自宅に泊めることにした。
ベッドに朔夜を寝かせ、
宏人はとりあえず寝る準備を整えることにした。
宏人は来客用の布団を敷いて、
床につく。
だが、いつまで経っても寝られず、
朔夜の事ばかり気にしてしまう。
無防備に寝ている朔夜に、
キスをしてしまいたくなる。
「あ〜〜ダメだろ!!もう何考えてんだ...早く寝よ...」
布団に入り直し、高校の頃を思い出す。
朔夜に出会ったのは、1年の体育祭の時だった。
陸上部だった朔夜はリレーの選手でアンカーを任されていた。
美しく、ムダのないフォームや走りに感動した。
朔夜の走り終えた時の笑顔が、
今でも印象に残っている。
それから話すことを何度も頭の中でシュミレーションして、話しかけたりしたっけ...懐かしいな。
そんなことを思い出していた宏人は
いつのまにか夢の中に入っていった。
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