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3、太宰の侵入
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~太宰Side~(一話へ戻る)
久し振りのポートマフィアだけど…全然変わってないねー…。
探偵社で寝ていたところ、先輩でありパートナーの国木田君に追い出されてしまって、することがないからってポートマフィアに潜入したはいーけど…。
「こんなに簡単に入れちゃうなんて…、警備もまだまだだねぇ。」
私の苦労は何処へ行ったんだか。なんて考えながら薄暗いポートマフィアの廊下を歩く。何処かに良い情報はないものか、と人に見つからない程度に館内を歩き回る。
「はぁ―……、ん、ここは…」
見つけたのは医療室のような場所。あぁ、ここは梶井がいつもいた部屋だったね…。何か面白うものはないかなと部屋の中に入る。
「いろいろな薬があるのだねぇ…。……おや、これは…」
小さな瓶に入ったピンク色の液体、その裏側にははっきりと『媚薬』と書かれていた。
「……」
ま、まぁ、どこかで使おう。と外套の懐に忍ばせ、その場を後にした。
「さぁて…あれ、この先は何があったっけなぁ…」
何せ四年も前のことだから、と思いつつ廊下を奥へと進んでいく。たまーに通る警備員にバレないように影や物置に隠れる。
「本当に…今のポートマフィアは温いねぇ…これなら、私たち探偵社でも勝てそうだよ…」
と、ニヤリとしながら警備の後姿を眺める。バーン、なんてジェスチャーをし、再び足を動かす。
「はぁ―…暇だ…。さっき仕掛けてきた中也の爆弾、何時爆発させようかなぁ…」
侵入経路は一番警備の少ない職員の駐車場から入る際に、ポートマフィア時代、相棒だった中原中也の車に爆弾を仕掛けたままだった。これ、本人の部屋に置いといて、なんだ?ってボタン押させるのとか楽しそうだな…と笑みを浮かべる。中也のことは大嫌いだ。煩いし小さい、私の方が優秀だ。友達関係としては全く好きではない。むしろ大嫌いだ。でも、友達でなければ……。
「なーんてね…、さぁて、此処には何処かに言い自殺場所はないかなぁー…」
気を一瞬緩めてしまい、声を上げて廊下を歩く。その所為、前から歩いて来る人陰には全く気が付かなかった。
「…、あ」
私たち二人は似た様な声を上げた。目の前に立っているのは、先ほども思った元相棒。t中原中也だった。
「…はぁ…、だから嫌な予感がしたんだ…。」
今日一番の溜息が自然と出た。
太宰SideEND
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