アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
いざ、体育倉庫へ②
-
旧校舎の体育倉庫には、使い古したマットや跳び箱などが雑然と置かれていた。
そんな道具類に足をとられて躓かないように、僕達は注意深く鏡を探す。
「あれ、鏡ってこれだよね?でも、二つあるよ。どっちの鏡なんだろう?」
ふと、想太が困ったような表情を浮かべながら呟く。
僕が想太の方に目線をやると、確かに姿見が二つある。白枠の鏡と黒枠の鏡があるのだ。僕も想太と同じように困ったような表情を浮かべてしまう。
ーーー鏡は一つだけしかないと思い込んでいたからだ。
助けを求めるように知花と誠の方をチラッと見るが、知花は相変わらず子供のような悪戯っぽい笑みを浮かべて、分からないと言わんばかりなジェスチャーをしているし、誠は誠で興味なさそうに欠伸をしている。
《どっちの鏡なんだろう?噂では鏡に左手を触れると願い事が叶うって話だけど・・・》
僕が心の中で、そんな事を思っていると、ふいに想太が白枠の鏡の方に向かって歩み寄っていくのに気付いて不思議に思う。何故なら、その様子が普段とは明らかに違うと分かったからだ。
無表情で白枠の鏡の方に吸い寄せられるように、想太はどんどんと歩いていく。そして、ピタッと鏡の前で止まると躊躇なく左手を触れようとする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 477