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人質③
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「ど、どうして…………この世界にいない筈のお兄様が……ここにいてシリカを閉じ込めているの?」
「まず、人に聞く前に自分の胸に手を当てて考えてみれば?まったく、そんなだから、お前はこの世界の王にふさわしくないんだよ。もう、王の座を乗っ取っちゃってもいいでしょ。でも、その前に…………」
―――パチンッ
シリカが真っ青になりながら、檻の中を
見下ろしてくる知花へと尋ねる。知花はシリカに対して、呆れたと言わんばかりの表情を浮かべながら、冷たく言い放つと指を鳴らす。
―――ズンッ
――ズッ
すると、知花が指を鳴らした途端に部屋の外から複数のオークが入ってくる。オークの体は大きく、歩く度に床が振動で揺れるのが分かり、シリカはここに連れ去られてから初めて、弱気な表情を浮かべて不安げに知花を見上げる。
しかし、そんな不安げなシリカを見ても知花は眉一つ動かさず、フッと笑みをこぼしてから、
「我がままで単純で愚かな可愛い弟のお前に、ご褒美をあげるよ。きっと奴らも可愛がってくれると思うよ?ほら、見てよ…………オーク達が我を忘れて、お前の虜になってる。」
「…………ッ!!」
シリカは冷酷な兄の言葉を聞くと、最後の抵抗と言わんばかりに知花を弱々しく睨み付けるが、檻の外から中へと強引に入ってくる複数のオーク達に為すすべもなく、恐怖で身を震わせる事しか出来なかった。
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