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酒場を目指して①
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シンと別れて、歩き始めた頃は夕暮れ時で、それほど暗くはなっていなかったが、王宮から北の方角にある墓場に着いた頃には、既に真っ暗になっていて、夜空には青白い大きな満月が光り輝いていた。
青白い月の光は、とても明るくて僕らが歩き続ける道を、仄かにだが照らしてくれていた。
「……はあ、こんなに暗くなってるなんて思わなかったよ。シンっていう男の人が言ってた酒場って、まだまだなのかな?」
「シン殿の話によれば、墓場からは、それほど遠くない場所に酒場があるらしいが…………ミスト、ナギ……それらしい建物はあるか?」
思わず、僕が呟くと、それに答えるかのようにサンが言う。そして、ナギとミストはサンに問いかけられたからか、辺りをキョロキョロと見回す。
「おい、優太……あそこに灯りが見える。もしかしたら、あそこが酒場なんじゃないのか?」
「…………誠の言う通り、確かに灯りが見える。早く、行ってみよう!」
誠が、少し離れた場所に灯りが着いているのを見つけてくれて、僕は、思わず皆よりも先に駆け出してしまう。
―――すると、その時
「~♪~~♪♪♪~♪~~~~♪♪」
どこからか、歌声が聞こえたような気がして、ふと足を止める。
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