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ティーナの酒場⑤
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「ど、どうして……さっきまで騒がしかった皆が急に眠ってしまったの?」
「なんだよ、ただ単に酒に酔いつぶれて眠っただけだろ!?別に、珍しくともなんともねえじゃねえか。」
僕は、まるでスイッチが入ったかのように、突然眠ってしまったノルマンとティーナ以外の冒険者の人達を見つめながら不思議そうに呟く。
すると、それに答えるかのようにナギが興味がなさそうな表情を浮かべつつ、素っ気なく言い放つ。
―――すると、
「おい、そこの看板娘…………一体、何を企んでいる?今、眠っている冒険者達が飲んでいた酒に毒々しい色の液体をいれるのを……見たぞ。その、ノルマンとかいう奴も仲間なんだろう?」
「………………っ!!?」
僕とは違って冷静な様子のサンが、いつの間に取り出したのか、弓をティーナの方に向けながら、氷のように冷たい声でティーナとノルマンへと問い詰める。
「あ~あ、もう誤魔化すのも無理か。まあ、でも……いずれは、こうなると思っていたけど……って、ノルマンさん!!ウィリアムを止めてっ!!!」
サンに弓を向けられながら、ティーナは深い溜め息をつく。そして、何かを諦めたような様子で呟くが、ふいにノルマンへと大声で叫んだ。
「わぁぁぁーっ……娘が………娘が海に……俺が……俺が……助けに………」
「俺のせいだ………俺の……せい……で……娘は……海に……しず……うわぁぁぁーっ!」
それというのも、ウィリアムという男の人が相変わらず錯乱して大声で叫びながら、ふいに酒場から出て行こうとしたからだ。
ウィリアムという男の人が、もう少しで酒場から出て行きそうになった時、ギリギリでノルマンが内側から扉の鍵をかける。
「……この酒場の真実を知りたい?」
「貴方たちの言うとおり、この酒場には秘密があるの。でも、貴方たちに直接、危害を加える気はワタシとノルマンさんにはない。でも、結果的には貴方たちに危害を加えることになるかもしれない。」
「…………それでも、貴方たちは……この酒場の真実を知りたい?」
ウィリアムが外へ出てないことに安堵したのか、ティーナが安堵したような表情を浮かべてから、僕らへと真剣な様子で尋ねてきた。
僕らが、この酒場に着いた時に見た、女の子のように可愛らしいティーナと今のティーナとでは、まるで別人のようだ。
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