アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
二人きりの夜③
-
「お、おい…………優太、大丈夫か?」
「う、うん……大丈夫……って、あの……僕がボーッとしてたせいで、ぶつかってしまって……ごめんなさい。」
誠が慌てた様子で、床に尻餅をついた僕を引き上げようとしてくれたが、それよりも先に、ぶつかってしまった男の人へと慌てて謝る。
「…………まったく、ドンクサイ奴だな。本当に目はついているのか?」
「ご、ごめんなさい……………あっ……」
男の人は、腰まであるくらいの長い金髪を後ろで一纏めにしてして、端正な顔立ちをしている。現代風に言えば、イケメンというやつだろう。そして、床に尻餅をついたままの僕を綺麗な青色の瞳でギロリと見下ろすと、ブツブツと文句を言いながらも僕を引き上げてくれたのだ。
その男の人から、ぶっきらぼうに引き上げられた僕は、誠が慌てた様子で、その男の人から僕を引き離すまで、その男の人の余りの格好よさに少しだけ見とれてしまっていたのだ。
「中にいるアンタに気付かずに扉をあけたのは、俺だ。俺が悪かった。それと、優太を引きあげてくれたのは有難いが……さっさと手を離してくれ。」
「……………何だと!?それが、このドンクサイ奴を引き上げたワタシに対する態度か?ふん、まあいい……おい、気分を害したからさっさと出るぞ!!」
僕が、男の人に見とれてしまっていると、ふいに横にいた誠が普段よりも低い声で、その男の人へと謝る。
すると、その男の人は怒った様子で言い放つと、僕を引き上げてくれてから、握ったままだった手を少しだけ乱暴に僕から離すと、男の人の側にいて僕らのやり取りをハラハラしながら見ているエルフの男の子へと乱暴な口調で話しかけた。恐らく、そのエルフの男の子は男の人のパートナーなのだろう。
その後、怒った様子の男の人をエルフの男の子が必死で宥めながら、二人は服を着ると、足早に脱衣場から出て行った。
――――まるで嵐が去ったかのように、さっきまでに賑やかだった脱衣場が静寂に包まれる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
100 / 477