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会場にいる貴族たちは「我こそが!」と意気込み、自分の所持額を確認し始める。
「最初の女の奴隷が目玉商品だと思ったんだけどね〜」
「そうだな。わしもアレにしか興味をそそられなかったぞ」
「クライトマン皇帝に札上げられりゃ無理だよな〜。あんな額掲示できるの皇帝クラスでもそうそういないぞ」
「まぁもうクライトマン皇帝は今日の競りに参加しないだろ。目玉商品、何がくるかな〜」
皆ギラギラとした目でステージに視線を集める。
そうして準備の整ったのを確認した進行役は、ステージの真ん中に立ち、息を吸い込んで商品紹介を始めた。
「次の商品は本日の最後を飾る超超目玉商品!!
皆様、2年前に滅んだメジエールという国を覚えていらっしゃいますでしょうか?
最後の商品は、今は亡き国メジエールの消えたと言われていた第一王子《シエル=ランベリク》です!
当時12歳ながらに絶世の美女と称され、左目は世にも珍しい翠の瞳、右目は紅色のオッドアイ!さらに、この地域では見ることのできない青みがかった黒髪!
細長い手足と小さく愛らしい顔は男であることを忘れさせてしまうほど!
2度と出回ることのない元王族の血が流れた《シエル=ランベリク》!5000万からのスタートです!」
シエルがステージに出され、スクリーンに映り、会場全体がガヤガヤと騒めく。
皆が我先にと番号札を掲げようとした瞬間、
凛とした声が会場を制した。
「10億」
スッ……と、会場のざわめきが止んだ。
「お、お客様………、今なんと………」
「───10億だ。」
そう言ってステージから1番遠い席に座る100番の札を掲げた彼は会場を去った。
誰もがが耳を疑うほどの大金を掲示した男は、
弱冠16歳で軍を率いメジエールを没落させ、
その後自分の手で両親を殺し王の座についた、
世界最恐と謳われるペリグレットの国王だった。
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