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3話 -奴隷宣告-
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ガシャンッ…ジャラジャラ……
王はシエルの鎖を引き、ペリグレットの中心部にある自分の城へと足を踏み入れた。
シエルの手足に装着してある枷と、城の地下牢である拷問室の壁とを固定し、目隠しと耳栓を外してやった。
商品として出品されていたシエルはマジックミラー加工が施された目隠しと密封型の耳栓をされており、視覚と聴覚が完全に遮断されていた。
突然感覚が戻ったことにより驚き、そしてシエルは視線を目の前に立つ男の足元から上へと移動させた。
「あ…、あなたは…っ!!」
そこに立つのは忘れもしない、
2年前にシエルが出会ったあの少年の姿があった。
そう、世界最恐と謳われるペリグレット国王の名は、
《アルベール=ヴィクトリア》
2年前、シエルが恋に落ちてしまったのは、憎きペリグレットの国王だったのである。
何も知らないシエルは恋い焦がれた人に会えたと胸を踊らせるが、ガシャンッと繋がれた枷によって動きを制された。
アルベールがシエルを見る目は蔑むように冷たく、シエルは本当にアルベールなのか疑った。
だが、間違いようもないあの澄んだバイオレットの瞳や整った顔立ち、髪色全てにおいて彼だということを物語っている。
「アルベール!僕のこと、覚えてないですか……?」
シエルは懇願するようにアルベールを見つめたが、アルベールは眉を顰め、シエルの頬をペチペチと叩きながら口を開いた。
「おまえ、奴隷の分際で何をほざいてる?よくご主人様のこと呼び捨てできるな?」
「ガハッ………!!!ぁ………うぅ………」
アルベールは革靴の先端に力を込め、思い切りシエルの腹を蹴った。
「どう………して……?」
シエルは涙を滲ませ、アルベールを見つめる。
「どうして?……あぁ、そうか。おまえ、俺が誰だかわかってないんだ?
俺はペリグレット国王、アルベール=ヴィクトリア。
おまえの国を没落させ、おまえの両親を殺したのは俺だよ、シエル=ランベリク。」
ニヒルな笑いを浮かべてそう言ったアルベールに、シエルはショックと絶望のあまり何も言葉が出ず、ただ呆然とアルベールを見つめていた。
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