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アルベールは静かにベッドへ近づき、シエルの隣に腰かけた。
シエルはそっとアルベールの表情を確認したが、たまに見る蔑んだ目でもなく、怒っている様子でもなかったために、遠慮がちにすり寄った。
「どうした、シエル」
「えと……、今日は帰ってくるの早かったなぁって…」
「あぁ。今日は商談だけだったからな。」
「ぅ………、嬉し……です………」
何故か今日のアルベールはとても優しくて、シエルがアルベールの胸元にスリスリと頬擦りをすると、ふわふわと頭を撫でてくれた。
「シエル……」
「はい…っ」
「太陽が見たいか?」
「い、いいの…?!」
アルベールの言葉に、シエルはガバッと顔を上げてキラキラと目を輝かせた。
アルベールはベッドに繋がれている鎖を手に持ち、「おいで」とシエルをベッドから降りさせた。
「うわぁっ!」
約2週間、全くベッド上から動いていなかったシエルは、立ちくらみを起こしてフラついた。
アルベールは一つ息を吐いてしゃがみこみ、シエルを横抱きにして部屋を出た。
「ぁ…、アル様!降ろしてくださいっ!」
「降ろしてもおまえ、また転けるだろう?」
「でもっ…」
「いいよ。今日だけ特別だ。あとでたっぷり可愛がってやる」
「〜〜〜〜ッッ///」
いつものアルベールと違いすぎて、『もしかしてアルベールじゃないのでは?!』とシエルは甘い雰囲気にふわふわしていた体をギョッと固まらせた。
シエルがそうやってあたふたしている間に部屋に着いたようで、アルベールは大きな扉を開いて部屋に入った。
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