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アルベールが応接室に入ると、エルヴィドはあのオークションで最初に競り落としていた奴隷を連れて、足を組みながらソファに腰掛けていた。
タレ目で左目の下には泣き黒子、ブロンドのウェーブヘアーにゴールドの瞳。
世間ではイケメン王子として名を馳せている彼は、アルベールからすると、干渉しないことを約束しているただの男だというだけである。
奴隷は猿轡を付けられて声を抑えられていたが、静かな部屋からはブゥゥンと無機質なバイブ音が響いており、奴隷の中に玩具が仕込まれていることは明白だった。
「クライトマン。人様の城で奴隷遊びはやめてもらおうか」
「やだなぁ〜、奴隷遊びだなんて!これはリリーがしたいって強請るから付けてやっただけだよ」
「相変わらず悪趣味だな…」
このままこの話をしても無意味だろうと諦め、アルベールは本題に入るべく、エルヴィドの向かいに腰掛けた。
「今日は何の用だ」
「前から言ってるでしょ?同盟の話、白紙にしない?」
「どうしてだ。隣国と敵関係にあると他の国に攻めていけないだろうと組んだ同盟だ。同盟を切ったら互いに不利益にしかならないだろう?」
「そうかな〜?俺にはメリットしか感じないけどね〜?」
エルヴィドは机に置かれた紅茶と茶菓子を口にしながら首を傾げた。
「俺はペリグレットを落として、シエル=ランベリク、彼を手に入れたいんだよね。おまけに彼以外にもペリグレットにはたくさんの魅力がある。この同盟関係中に広げた領土、大したもんだよね。それ全部もらえるんだから。メリットしかないと思わない?」
やはりエルヴィドの狙いはシエルだったようだ。
彼にとってあの澄んだ瞳、そして美しい容姿に透き通るような声。
それはそれはかなり欲しいものなのだろう。
「まぁつまりは、シエル=ランベリクを寄越してくれるなら同盟関係はそのままでいいし、俺はペリグレットを攻めようとも思わない。」
「それは無理な話だな」
「どうして〜?なんで君はあの子に固執するの?抱き心地のいい奴隷ならいくらでもあげるよ。お願いだからシエル=ランベリクを俺にちょうだい?」
アルベールが黙りこむと、エルヴィドはふふっ、と楽しそうに笑った。
「同盟破られたらマズイの分かってるよね?君が得意としてるのは剣術。対して俺の得意なのは銃撃戦。どちらが有利なのかなんて一目瞭然だよね」
選択肢は与えない、とエルヴィドは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
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