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エルヴィドはシエルに提案を持ちかけるが、シエルは薬の禁断症状が出始めて、カリカリと爪を噛んだ。
「何してるの?せっかく綺麗な爪なのに」
「……お薬………っ……、欲し…………」
「え?」
「お薬欲しいっ……です………」
もう我慢の限界なのだろう。
シエルの体は小刻みにカタカタと震え、イライラするのか爪をかじったり、肌を掻きむしったりと異常な行動を始めた。
「は?え、どういうこと?シエル、君は薬を使われてるの?」
「お薬ッ……」
「答えろ!!こんなになってしまうくらい飲まされてたのか?!」
「ひっ………!!ごめ…、ごめ…なさ……」
シエルは歯をカチカチと鳴らして怯え始めた。
そろそろ応接室に戻らないと、アルベールにバレてしまうだろう。
しかしこんな状態のシエルを放っておけるわけもなく、エルヴィドはベッドに置いてある毛布でシエルを包み、短刀を見せた。
「シエル。俺は媚薬の場所は知らないし、君に薬をやることはできない。けどね、シエル。俺はこんな美しい君を薬漬けにしたヴィクトリアが許せない。絶対に迎えに来るから、次にヴィクトリアが来たらこれで奴を刺すんだ。」
「い、嫌…っ!」
「憎んでいるだろう?君があいつを殺さなくても、いつか俺が殺して君を迎えに来る。約束するから。」
エルヴィドは短刀をシエルの手に握らせ、早足に部屋を出ていった。
シエルは自分の手の中にある短刀を見つめ、震えながら枕の下に隠し置いた。
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