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アルベールはなんとかミリィとエルヴィド双方を言いくるめて帰国させ、疲れのあまり大きなため息を吐いた。
そろそろシエルが起きているかもしれない。
さすがに禁断症状が出るほど依存していて、9時間以上薬を摂取していない状況で起きると不味いなと、シエルの部屋へ向かった。
扉を開けるとシエルは毛布を被りながらカタカタと震えていて、アルベールが近づくとビクッと体を跳ねさせて後退した。
「あ………、アル様……………」
「辛いだろ。抱いてやるからこっちに来い。」
「ダメ………、近づかないで…っ!!!」
目に薄く涙の膜を張って怯えるシエルを見て、ただでさえ先程の二人でストレスが溜まっているアルベールは、シエルを組み敷いて首筋に噛み付いた。
「やっ!やだぁっ……!アルッ!アル、やっ!やめて!」
「煩い。」
「あ、ああぁあああ!!!!」
グチュリ………
肉が抉れる様な音と、突如全身を駆け巡る痛みにアルベールは下を向いた。
アルベールの腹部には短刀が刺さり、ドクドクと血が溢れ出している。
「……………シ……エル………?」
「あ、あぁ……、アル………、アルベール……、やだ……、ごめ…なさぃ……。あ、僕………、ぼ……くが……」
シエルはボロボロと涙を流し、アルベールの手を握った。
アルベールはゲホッと口から血を吐いてベッドに横たわり、シエルはどうしたらいいのか分からず狼狽えていると、廊下から使用人の大きな声が聞こえると同時に、部屋の扉がバンッと大きく開いた。
「シエル。よくやったね」
エルヴィドはニッコリと笑いながらベッドへ近づき、アルベールを蹴り飛ばした。
「ガハッ……」
「ははっ。随分間抜けな姿だね、ヴィクトリア。どうだい?お気に入りの飼い犬に噛み付かれた気分は」
「クライト…マン……、てめ…ぇ………」
エルヴィドは食いかかって来ようとするアルベールの腹部に爪先で思い切り蹴りを入れ、痛みのあまりに気を失ったアルベールのポケットから鍵を取り出し、シエルの手足に付けられた枷を外した。
「シエル、俺の城においで。たっぷり可愛がってあげるよ」
「や…、やだ!!アルっ!!!」
血だらけのアルベールを残したまま、エルヴィドはシエルを攫って自国へ帰還したのだった。
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