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「あなたが手放さなければその子に用はないわ。アルベールの次はクライトマンをたらしこむなんて、随分と淫乱な子なのね。それじゃ、失礼するわ」
ミリィは中庭を後にし、カツカツとヒールの音を立てながら姿を消した。
エルヴィドは顔を青くして固まるシエルを抱きかかえて部屋に入り、ソファに座らせて毛布をかけた。
「ごめんね、シエル。俺がいなかったばかりにあんな怖い目にあわせて……」
「だ………いじょ……ぶ……」
「怖かっただろう?これからは女兵もしっかり配置して置く。みんな色仕掛けでやられたみたいだ。城の警備体制も緩くなったもんだね…」
エルヴィドが毛布の上からシエルを抱きしめ、トントンとゆっくりとしたリズムで背中を叩いていると、安心したのかシエルはうとうとと目を閉じ始めた。
そのときエルヴィドはガラス戸の外に動物たちが集まっているのを見つけ、シエルの頭を撫でながら問いかけた。
「彼らはシエルの友達?」
「………?…………あっ!」
ガラス戸の外に集まっていたのは、先ほどシエルと戯れていた小動物で、シエルはよろよろと立ち上がりながら中庭への扉を目指した。
「ああ、待って。その子たち、中に入れてあげるからシエルは休んでて?」
エルヴィドが扉を開くと、動物たちはエルヴィドに少し警戒しながらもおずおずとシエルの元へ進んだ。
動物たちがシエルを取り囲み、それに癒されたのかシエルにも少しずつ笑顔が戻ってきた。
エルヴィドは嬉しそうに微笑むシエルの顔が可愛くてたまらなく、ニヤける口元を抑えられなかった。
しかし、また暗い表情に戻ってしまったシエルに、エルヴィドも動物たちも心配して顔を覗き込んだ。
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