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1-6 また、明日
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まぁ、でも。
こんな生活とは今日でお別れ。
俺がここに来ることは、二度とない。
偽りの殻を被るのも今日が最後。
この目障りな背中も見ることは無くなる。
基本この国では、他人がαβΩのどの性に属するか口にすることはタブー。
それがもとで、以前は自殺や他殺を招く事態が多発したらしい。
この管理された学校の内部でも。
三枝のように、自分で公言する人間は大抵β。
αは、勉学にも運動にも長ける特性からすぐに分かる。
他人から指摘されれば、あっさりと認める。
Ωだけは、絶対に自分から名乗らない。
この学校では、Ωも通学が許されているが。
それは、ヒートが来るまで。
βの影に潜み、発情がくれば強制番防止の首輪をつけ。
Ωばかりを集めた学校へ保護されるか。
さっさと番(つがい)を作って、αに守られて通い続ける。
俺は、Ω。
しかも、すでに発情は来ているのに首輪はしていない。
抑制剤で発情フェロモンを相殺し。
ギリギリまでβではなく、あえてαらしく振舞い。
この場にしがみついて生きてきた。
代々α家系の名門桜宮財閥の跡取り。
その立場が、そうさせた。
Ωと世間に知られるのを、限界まで引き伸ばした結果だ。
以前より、Ωの地位は改善されているとはいえ。
性奴隷として扱われてきた過去は消せない。
俺がΩと分かったとき、親戚一同慌てふためき。
5年前に弟が生まれるまで、αとして生きれるだけの教育を受けさせられた。
オレの存在は、弟が生まれてからはお荷物でしかない。
俺は行き場を失って、今夜その身請け先に引き渡される。
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