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2-8 幸せにしたい side 倭人
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いつもより遅れはしたけど、遅刻は免れた。
滑り込んだ教室で、周りをうろつくクラスメートを適当にあしらい。
テスト返却が中心の授業を、聞き流し。
俺に何が出来るのかを、うつらうつら考える。
Ωの父さんに育てられたからか、割り切って、切り捨てて考えるのは苦手だ。
相手がいくら望んでいても、愛されない番のΩが作られるのを黙ってみていたくない。
皆が皆、幸せになる社会なんてないし。
どこかに歪が生まれることは、知っている。
だからこそ。
せめて、自分の周りは幸せにしたい。
あのときの姉貴の声は。
その想いごと、心中するような口ぶりだった。
番になったΩを愛せるようになるとは、俺には思えない。
俺に出来ることって、なんだろう。
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