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9-15 特別棟
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「どこまで覚えてるんだ?
笹部が来てから今までの記憶はあるのか?」
意識して、教室を圧し、幼馴染みの首を狙いにいったのなら、ヤマがなんと言おうと俺は学校に退学願を提出するぞ。
番のΩに触れただけのα相手に、傷害事件を起こすなんて、菊川家にとっては不名誉。
いくらΩ人権運動の立役者でも、一部のαからますます疎まれ忌避されることになる。
俺が原因で家名を汚すなんてあってはならない。
「笹部がカナをベタベタ触って、気付いたら目の前にカナのうなじがあった」
ぼそぼそ話すヤマ。
ギュッと胸に閉じ込められ、落ち着くようにその腕をポンポンと軽く叩く。
間の記憶は抜け落ちてるみたいだから、無意識か。
だが、二度目を起こさないためにも、自覚はさせておくか。
「ヤマは教室を強制的に支配して、笹部を負傷させた。
あとで謝っておけよ?
身内だから騒ぎは大きくならないだろうが、上級生や友好関係を結んでない相手だったら賠償問題。
お前にも、自分をコントロール出来ない未熟者のレッテルが貼られる」
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