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つまらない日常
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由美と別れ、家に向かう。
ピロローン
ケータイが鳴り、ラインを確認すると葉月(はづき)からだった。
「弓月(ゆづき)の遠足のおやつと大根と味噌買ってきて…か」
そういえば弓月明日遠足だっけ。
妹は小学三年生。まだお兄ちゃんと甘えてくれる歳だから可愛いけど、もう少ししたら兄貴とか呼び出して、キモいとか言われるんだろなって考えると悲しくなる。
ちなみに葉月は母さん。
母さんは、どうもお母さんと呼ばれたくないらしくて、俺たちに葉月と呼ばせてる。
帰り道にあるスーパーにより、適当におやつを見繕う。
大根と味噌は、ちょうど特売があったからそれを手にした。
「本日のオススメは卵です!10パックお一人様お一つまでで、120円!120円です!個数限定!お一人様お一つまで!どーぞお買い求めください!」
卵120円は安いな…お弁当作るならいるだろうし、買っていってあげよっかな。
急ぎ足で卵売り場に向かうおばさまに混じって俺も卵を取りに向かう。
もみくちゃにされながら、なんとか辿り着いて、最後の一つに手を伸ばす。
パシッ
「あ」
最後の一つを、後ろから俺を超えて伸びてきた手に取られてしまった。
あーあ…残念…。
まあ、頼まれてないしいっか。
「あれ、君は…」
聞いたことのある、忘れられない声がした。
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