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触れ合うだけのキスをしたら、猛の唇が震えていることに気づく。こんなに愛してくれる人は、きっと他にいない。いないはずだ。
リップ音の鳴るキスが続き、それから、猛の生温かな舌が口腔ににゅるりと入ってくる。彼の唾液の味を感じた途端、違う、と思ってしまった。
味が違う。匂いが違う。舌の動きが違う。幸樹のキスは荒々しかった。情熱のままに貪るようであった。けれど、猛は優しい。こちらの欲望を強引に引きずり出すような幸樹と、それを誘うような猛。正反対とまではいかないけれど、そこには確かな違いがある。
ああ、何を考えているのだ。どうして比べてしまうのだ。圭吾は自らを戒める。猛に集中しろ。幸樹への思いは捨てるとあれだけ心に誓ったというのに。切り離せ。幸樹を愛する自分は小さな瓶に詰め込んで、きつく蓋を閉め、もう二度と戻らぬよう深く埋めるのだ。
「ローションはある?」キスの合間に、圭吾は尋ねる。
「ん、ある。待ってて」猛はベッドから抜け出し、部屋の隅にある棚からローションとスキンを持って戻ってきた。
自分から言っておいて、そのふたつを目にしたら、妙に生々しく感じた。圭吾は薄闇に隠れてふっ、と自嘲の笑みを浮かべる。生々しい行為を今からするというのに。
猛がベッドに上がった。圭吾は彼の手から奪うようにローションを取る。
「解すから……あっち向いてて?」
「俺がやりたいな」眉を下げ、小首を傾げる仕草が可愛く思えるものの、そこは譲れなかった。
「恥ずかしいから、また今度で。ほら、あっち向いてて!」顔の熱さを感じ、まぶたを伏せた。
ごそごそと動く音が聞こえたので猛に視線を投げると、彼はベッドへうつ伏せとなり、腕で顔を覆い隠している。
「これでいい?」
「そこまでしなくても」その愉快な姿に、笑いが吹き零れた。
猛が腕の隙間から盗み見してくる可能性を考え、ちらちら確認しながら寝巻きのズボンと下着を脱いだ。四つん這いとなり、ローションを手のひらに出して温めたのち、濡れた手を背中側から肉丘に伸ばす。後孔に指を一本、二本。自らのそこを解してゆく。同居してからたまに、猛に隠れてそこを慰めてはいたものの、彼が挿るならばいつもより指の本数を増やすべきだ。
くちゅくちゅと響く粘着質な水音が、少し恥ずかしい。
準備を終えた圭吾は、まだベッドに伏している猛の肩を軽く叩いた。
「お待たせ」自分の声の掠れに気づき、小さく咳払いをした。
「やらしい音で、俺のやつがすんごいびんびんになったんだけど」がばっ、と勢いをつけて猛は身を起こした。
彼の言うとおり、薄いスエットの股間部分が盛り上がっている。圭吾は汚れた手を寝巻きの裾で拭うと、猛の欲望が高まっている部分に手を置いた。布越しに軽く揉んだら、猛がうっ、とくぐもった声を漏らす。
「すごい……硬いね」喉が鳴った。
猛は少々恥ずかしいのか、複雑な表情を浮かべる。
「そりゃあ、圭吾で抜いたことがたくさんあるから、さ。現実に触れ合えると思ったら、たまらないよ」
「猛も脱いで」
圭吾が言うと、猛は素直に全裸となった。圭吾も寝巻きの上を脱いだら、猛の視線が胸元に突き刺さる。
「色、淡いね」猛はベッドに膝をついた。伸びてくる手は宙で止まる。じっと顔を見つめられ、ああ、許可を求めているのだなと察した。頷いたら、胸の真ん中に手が触れてくる。
「鼓動、早いね」猛が言った。
「触って……ここ、たくさん触って」
猛の前に胸部を突き出せば、すぐさま片方の胸粒を弄られる。先端を親指でくりくりと、掠めるように触れられて、下腹部がじわじわ熱を帯びた。
今度は両手のひらで、胸粒が擦られた。圭吾は腰を僅かに揺らし、んんっ、と鼻から甘い息を吐く。
「ここ、弄られるの好き?」
「……っ、好き」
「どんな風に弄られるのが好き?」
「そんなこと、言えないよ」羞恥心に、片腕で顔を隠した。
「言って? 圭吾、俺に全部教えて……今まで触れられなかった分、知りたいから」猛の声は僅かに上擦っている。
圭吾は顔から腕を下ろし、自らの両方の胸粒を摘むと、強く引っ張ってくりくりと押し潰した。
「こんな……風に、っ、弄られるの」
「好きなんだ? こう?」
手を優しく退かされ、自分が弄ったのと同じようにされるけれど、受ける感覚はまったく違った。快楽に身構える隙がないのだ。猛に胸粒を弄られるたび、腹部の波打ちを覚える。
「赤くなってきた……」猛の顔が胸元に寄った。上目遣いの視線が届く。「舐めたいな?」
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