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「ぁっ、ああっ……っう」猛が中に挿ってきて、圭吾の口から声が漏れる。
「狭い……っ、圭吾、少しいきんで?」
背中を優しくさすられて、圭吾は下腹部に力を入れる。自らの後孔が少し広がったような感覚と同時に、更に奥へ肉杭が挿った。
「圭吾、圭吾……好きだよ。すごく、好きだ。愛しさが溢れてやまない……ああ、中、気持ちいい……」
猛の囁きを耳に受けた時、圭吾は、猛烈な吐き気に襲われた。素早く口を両手で押さえたら、頭がベッドに沈み込む。
身体が幸樹を覚えているのだ。奥の、奥まで、幸樹に侵食されていたのだ。これ以上どうしろというのだろう。圭吾は息を止め、涙を零した。
ただ、ただ進みたかっただけなのに。停滞せず、前へ。もう返らない日々を待つことなく、前へ。
時は戻らないのだ。決して、あの日々には返れない。
圭吾は自らに言い聞かせる。猛を愛せ、愛せ、と。彼が可愛いと思うだろう。彼が健気だと思うだろう。愛せさえすれば、先にあるのは幸せだけだ。今は心底愛せなくても、そう思い込むように努力し続ければ、演じられたら、いつかはそれが真となるはず。
「全部挿ったよ。圭吾、苦しい? 大丈夫?」猛の声は優しい。
「う、ん、少し、苦しい……っ、けど、続けて。お願い、続けて」涙声にならないように気をつけ、圭吾は言った。
肉杭が少し抜けて、また奥を貫かれる。抽送は次第に激しくなってゆき、腰を打ちつけられるたびに口からくぐもった声が出た。
圭吾の思考は次第に肉欲に溺れてゆく。久々の快楽。ずっと疼いていた体内。自分の意思ではなく、相手の動きにより掻き回されることで、こんなにも激しい熱を受けるとは。もう大分味わっていないものだった。
後ろから腰を打ちつけられるたび、シーツに亀頭が擦れる。そこに触れたいという気持ちと、今は中の感覚だけを味わいたいという気持ちが激しく戦う。
「圭吾は? 気持ちいい? どう? どこがいいところ?」
耳たぶをねっとりとしゃぶられた。
「奥……っ、奥と、浅いとこ……っ」
「ここ?」
浅瀬を小刻みに突かれ、奥がじんじん痺れる。
「あっ、奥もっ、もっと!」身をくねらせ、ねだる。
前に回ってきた手で胸粒を潰され、捻られる。快楽で腰がひくついた。
「中、すごい締まる……うねってる。圭吾、すごい。イきそう」
掠れた声を耳に受け、圭吾は自らの肉杭に手を伸ばす。抽送のリズムに合わせてそれを、根元から強く扱いた。
「俺もイくっ、イくっ、ああっ、幸樹!!」
と、圭吾はひと時の意思の白みに叫び、白濁をシーツにびゅるびゅると零してから、自分が何を口走ったのかを知った。
猛もほぼ同時に果てたようで、圭吾を背中から強く抱きしめながら動きを止めている。
気まずい空気が流れているように感じた。身体に上った熱が、たちまち冷めてゆく。
「た、猛……あの……」
圭吾が声を発したら、身体をくるりと仰向けにさせられた。
「いいよ。仕方がない。長い付き合いだったし、男は幸樹しか知らなかった。そうだよね?」猛はまぶたを閉じて、ふぅ、と軽いため息をついた。「でも……ははは、さすがに、ぐちゃぐちゃにしてやりたいっていう衝動が湧く」
再び開いたまぶたの奥にある瞳が、獰猛に光っている。圭吾は身を強張らせるけれど、むしろ、と思った。
「ぐちゃぐちゃに、してくれ……猛。おまえしか感じないように。おまえだけを感じられるように、動けなくなるくらい―」
圭吾が言葉を終わらせる前に、肉杭が奥底へ一気にぶち込まれる。
「っぐぅあっ!」たまらず圭吾は声をあげた。激しさに、呼吸が一瞬止まる。
それでも、猛の動きはやまなかった。圭吾はそこに、彼なりの優しさを感じた。いつも優しい猛が、こうして中を乱暴に揺さぶってくるのだ。
猛を見上げると、眉間に深く皺を寄せている。唇を噛み締め、どこか泣きそうな顔に見えた。
「猛っ、猛ぅっ、っ、ああっ、あああっ!!」
何度も彼の名を呼ぶ。自分が抱かれているのは猛なのだと自らに言い聞かせるためにも、彼に、そうわかっていると知らしめるためにも、熱の篭もった声で名を呼び続けた。
猛から受けるのは沈黙だった。身体が浮きあがるほどに突かれまくる。
溺れそうだ。いいや、溺れたいのだ。
舌を見せてキスを誘うと、すぐに唇が降ってきた。食らい尽くされるような激しいキスだ。舌を絡めとられ、唾液を啜られる。両手はベッドに押さえ付けられた。
目のくらみそうな熱量が身体を暴れ回った。息もつけないほどの連打を放たれ、意識がどんどん白んでゆく。圭吾は呼吸を圧迫させ、猛の下でジタバタと足掻いた。
「っ、ううっ、んんんっ、イっ、っあああっ!」首を捩ってキスを逃れるが、すぐに唇が追ってくる。
圭吾の総身が痙攣のさざ波を繰り返す。白濁を吐き出しても抽送はやまない。しつこく、ねちねちと奥の奥を掻き回される。そうして、意識を失う瞬間に圭吾は―……
「俺のものだ。俺の……っ!」
水底から滲むような、猛の低い声を聞いた。
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