アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
29
-
どうしてって思っても本人に聞けない。
自覚してないときが多いから。
おじいちゃんのお墓の帰り
「……あ、あの!」
「あー…、女の子がこんな時間に出歩いてたら危ないよ」
「家近いので大丈夫です。一之瀬先輩……ありがとうございました…」
お礼を言われた。
〈やっとお姉ちゃんに会えた〉
会ってきたのか。
キミには辛い現実なのに……
「そう。お礼はいいよ。気をつけて帰りなよ」
家に帰った。
俺の噂はすぐに広まった。
噂って怖いなぁ。
「ただいまー」
あれ?
おばあちゃん?
おばあちゃんが倒れてた。
「おばあちゃんっ!しっかりして!」
救急車を呼んで病院に行った。
おばあちゃん……
「一之瀬ナツさんは末期の癌です」
癌と言われた。
おばあちゃんっ、自分のことわかってたよね?
本当なら入院してないといけないのに……
ごめん、俺が来たから……
〈碧のせいじゃないよ。おばあちゃんが決めたこと。自分を責めるな〉
兄さん
「……碧」
「おばあちゃん!」
「はぁぁ……、バレちゃった、ねぇ……っ、自分を責めるんじゃ、ないよぉ……?」
おばあちゃんまで……
どうして?
「碧と、一緒に居たかったねぇ……、ごめんねぇ……」
首をふった。
おばあちゃんといれた時間はとても楽しかった。
それだけで十分な時間。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 41