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そろそろ帰ろうかと思って歩きだそうとしたら
えっ!
向こうも驚いてた。
あの日以来、会っていなかった。
「……一之瀬、あ、神藤だっけ?継ぐことにしたんだ?」
嫌味に聞こえる。
継がないって言ってたのに……
やっぱり決められた運命は変えられない。
「……神藤」
「なっ、……んんーっ……」
ドサッ
音をした方を見たら
「……碧と遼ってそんな関係だったの?」
慧が居るとは思ってもなかった。
こいつがなんでキスしたのかもわからない。
「はぁぁ……、からかうのやめて。キミの名前、知らなかったんだけど?」
今さらって顔をしてる。
興味なかったし
「龍樹の親戚、水窪遼これからよろしく」
これから、か。
水窪と一緒に仕事することが決まった。
「水窪ね。よろしく」
水窪と慧が睨みあってる。
「慧、彼女できたの?」
「は?」
〈彼女が出来ても結婚出来ないのに。よく作るよねー?自分の気持ちを隠してまで〉
あの日はウソってわかった。
「水窪、時間」
「もう?早めに行かないと」
水窪は先に行った。
慧の隣を通りすぎようとしたら
「遼といつの間に仲良くなったの?あんなに家のこともそうだけど」
「……うーん、それ慧に関係ある?俺だって将来のこと悩んだよ。あの家に生まれたことをどれだけ恨んだか。どれだけ……、今は自分が出来ることをしたいだけ。じゃあね」
水窪が待ってる車に乗った。
〈本当に素直じゃないよねー?慧に勘違いされたいの?まぁ、僕的にはいいけど〉
はぁぁ……
「わざと心の声を聞かせないで?」
「あ、バレてる」
わかるし。
兄さんは笑ってる。
このままでいい
自分が幸せになるなんて出来ない。
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