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起きたら
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起きたら保健室で寝ていた。時計をばっとみると、あと五分で午後の授業が終わる時間だ。
最悪。授業さぼっちまった。
気持ちよくて酸欠になって気失うとか、情けない。その後誰が処理してくれたんだとか誰がここまで運んできてくれたんだとか、そんなの聞くまでもないけど。
ふっと倒れる前の記憶を思い出す。
ぶわあああ。ああ、やばい顔が赤くなった。恥ずかしいなあもう!!
なにしてんだほんと学校だぞ?
しかも・・・宣言した通り本当にあいつ上手くて。
あいつの手つきが、あいつの匂いが、あいつの体温が
思い出すだけでもぞくぞくってまた俺の肌が粟立ちはじめる。
だめだだめだ!上体を起こして頭をブンブンふる。
次会ったらどんな顔すればいいんだろう。なんて思ってるあたり大分動揺しているのかもしれない。
「あら、目が覚めた? あなたのことねえ、雨宮くん?だっけ。あの!バスケ部の!あの子が連れてきてくれたのよー!」
なんて微笑みながら保健室の先生がカーテンを開けて俺の近くにやってきた。
「あーそうですか・・・あの、あいつ、何か言ってました?」
「えーっと、ふふ。血相変えて飛んできてね!「こいつ急に倒れたんですけど!!」って叫びながら保健室に入ってきたのよお。何事かと思ったけど、大したことなくて良かったわあ・・・あ!そう!伝言預かってたんだった!「授業終わったら迎えにくるから待ってろ」って言ってたわよ?それでねえ・・」
そのまま長話しそうになった先生をなんとかカーテンの外へ追い出して・・思い出す。
迎えにくるって、あいつ部活今日あるだろ。
てか迎えってそんな重病者じゃあるまいし、大げさな・・・・
「先生!!晴間、起きた?」
そんな時ドアの付近から騒がしくならないように配慮された小さめの聞き慣れた声が聞こえた。
俺はベッドから降りてカーテンを開ける。
ばちっと目が合って。
でもふっと視線を逸らしてしまった。
どうしよう。どんな顔すればいいんだっけ。いっつもどんな顔してたっけ?
ああもう意識してんじゃねえよ!!極力出来る限りの真顔を貫いて、先生に会釈をすると俺のカバンを持って立ちつくして、眉を下げて困った顔をしているやつの元へと歩く。
カバンを手からそっと奪って
「ありがと」
と言ったら、ぽけっとした顔をしていた。
それがなんだか無性におもしろくて、軽く ぷっと吹き出しながら廊下に出た。
柄にもなく雨宮に対して緊張なんてするんじゃなかった。
いつもの自分らしくなってきて誰にも見られない角度で微笑んだ。
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