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○月×日『密室での誘い』
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先輩、
好き、
大好き、
気持ちいい、
もっと、
もっとして、
先輩のものにして、
目の前の先輩が、消えてなくなる。
代わりに現れたのは真鍋さんだった。
やめて、
いやだ、
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ
助けてっ
先輩助けてっ
「おいっ」
「……っ」
目を覚ますと、目の前には一条さんがいた。
僕は、全身びっしょり汗をかいていて、息が荒かった。
自分の息遣いを感じる。
一条さんが困った顔をして僕を見下ろしてる。
背中には柔らかい感触……ベッドにでも寝てるのか?
「……僕……」
「はぁ、脅かせないでくれよ。人が目の前で失神するのは初めてだ」
「あの、……僕…、」
この状況はなんだろう。
僕が体を起こそうとすると、一条さんがさりげなく支えてくれる。
「備品室で話してたら倒れたんだけど?」
ああ……そうだ。
一条さんに連れていかれた部屋で、あの夜のことを話していて……
「ここは救護室。お前の上司には体調不良て言っといたから、話し合わせとけよ?」
「…………すいません、」
情けない。
先輩のことを持ち出されて、動揺して、パニックになったなんて。
悪いのは僕なのに。
今回の一条さんのことも、……真鍋さんのことも、酒に酔ったからって2度も同性を誑かすなんて、最低だ。
「わるかったよ」
「……ぇ?」
突然の謝罪に顔を上げると、一条さんは真っ直ぐに僕を見てた。
「よくわからんが、俺が触れちゃいけないとこに触れたんだろ?まあ、お前のこと全然知らないんだけどさ、俺の興味本位で傷つけたみたいだし、ごめんな」
大きな手が、僕の頭を優しくなでる。
この人、
先輩に似てるんだ。
外見だけじゃなく、雰囲気が先輩に似てる。
真鍋さんに対して酷く感じた嫌悪感が、この人に対して無いのはそのせいかもしれない。
「……僕も、すみませんでした………2度も迷惑かけてしまって…」
「2度?ああ、アレは俺も楽しんだから」
「えっ」
何言ってるんだこの人……
いかにも女性に不自由なさそうな感じなのに、男と寝て"楽しんだ"て……
「だって山梨可愛いかったからさ。見かけによらず激しい所も気に入った」
「ちょっとっ、」
恥ずかしくなって一条さんの口を両手で塞いだ。
何を言い出すんだこの人。
救護室で、密室空間だからってここは社内に違いないのに。
「今度は酒はなしで。どう?」
一条さんが僕の手を口から外して、指を絡めてくる。
自信に満ち溢れた瞳で見つめられて、僕はただ赤面するしかなかった。
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