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** 優斗Side ② **(+説明)
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ブー…ブー…ブー…
突如、着信を知らせるバイブがスーツのポケットから鳴り響く。
(こんな平日の真昼間に、誰が何の用で…)
と、画面を見てみて…
「はぁ~……もしもし。」
思わずため息。
相手側はそれを聞いてたのか、電話口で笑われた。
「(何で、溜息?)」
「あぁ?タイミングが合いすぎだっつうの。」
「(だから、何のこと?)」
仕方なく理由を話す。
「…さっきまで、生徒と話してたんだよ。」
「(へぇ?それで?)」
何か分かったように聞いてくるのは、昔から変わらない。
「…お前。弟いたんだな。」
「(え?今更?)」
ポツリと呟くと、又もや向こうで笑い声が聞こえる。
「(うちの弟が1人、そこの卒業生じゃない。気付いてなかったとか?)」
「あ?…」
言われて、記憶から探してみる…“真白”という名前を……。
「(それとも、忘れてるだけ?ユキト…“真白雪虎”だよ。ギリギリ知ってるんじゃないの?)」
そこまで言われて、漸く思い出す。
俺達に劣らず、変な通り名を付けられていた生徒を。
“真白雪虎”…。
問題児であったが、学園の生徒を束ねていた…まぁ所謂、ボス的存在だった。
不良達には慕われていたし、何だかんだ先生達にも一目置かれていた。
あの生徒もまた、あいつらの弟…いや、“真白”の血を受け継ぐ者だとは…。
「何でこうも、お前達…弟2人も含めて、彩雅なんだ…」
「(何でって…。ユキは想定外だったけど、うちの家系の男達は皆、彩雅出身だからね。仕方ないよ。)」
呆れて脱力していると、衝撃な事実を打ち明けられる。
「(俺の父親も叔父さんもお祖父さんも…皆…ね。だからまぁ、諦めな。)」
諦めるしかないのかと、途方に暮れそうになったが、電話してきた用件を聞いてなかったのを思い出す。
「で?お前、何の用だったんだ?」
「(ん?あぁ、そうそう。今度4人で飲みに行かない?)」
「4人って、あの4人でか?」
「(この4人以外に誰がいるっての。)」
「まぁ、俺は構わないけど、他の奴等の予定は?」
「(今から連絡する。)」
「…分かった。予定が決まり次第、連絡くれ。場所はいつもの所だろ?」
「(“Angelic Snow”だよ。じゃあ、後で連絡するね。)」
「了解。…じゃぁな、雪諒。」
…電話を切って、ふと思う。
雪諒が経営するバーの1つ、“Anglic Snow”。
名前を初めて聞いたとき、『可愛いらしい名前』としか思わなかったが…
「…真白(=雪乃)の事じゃねぇだろうな?」
ふと漏らして、苦笑いをする。
雪諒の違う一面を垣間見たようで…
「さて、一服してくるか。」
そして…
優斗にとっても、雪乃にとっても…
一難去ってまた一難…?
この後、大きな面倒事に巻き込まれるとは思わず…
雪乃は昼寝をしに、優斗は一服するために…
それぞれが…動き始める……――
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