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教師は俺と森宮を交互に見ると厳しい口調で
「お前、羽白に手を出したんだな?」
と言った。
俺は慌てて首を横に振ったけれど教師は何も言わなかった。
後ろを振り向くと既に金髪の姿は無かったし、何故か森宮も否定をしなかった。
教師は1言「二人とも来い」とだけ言うとスタスタと歩いていってしまった。
「羽白、立てる?お前俺が見るといつも尻餅ついてるなぁ。」
「…足が、…震え、て…」
「怖かったよな。もう大丈夫だからさ。羽白は怒られるわけじゃないし、さっさと言って教室戻ろ。また遅刻つくけどなー。踏んだり蹴ったりだな。」
歯を見せて笑うと優しくてを差し伸べられる。
なんで笑ってられるんだ?
だって、森宮は完全に勘違いをされて…
俺は震える足に無理やり力を入れて立ち上がると、森宮に支えられて歩き出す。
恥ずかしい。
一人で歩くこともままならないなんて。
「…そんなに怖かった?」
「ごめん、…っ…なんか、おかしくて…」
「ふっ、…まーそういう日もあるよなー。俺も最初に喧嘩売られた時はひぃひぃ言ってたしな。羽白は普段こういう体験ないもんな。」
「…今から、さ……」
「大丈夫。」
今から、何を聞かれるんだ?
そういうより先に笑顔と一緒に返事が来る。
「羽白はなんもならないって。俺に任せときゃ大丈夫大丈夫。」
その言葉に何も返事を出来ないままそれぞれ別の指導室に入れられてしまった。
隣の指導室に入る森宮の横顔がどこか寂しそうに見えたのがどこか、胸に引っかかったまま俺は指導室の椅子へ座った。
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