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空回り
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ハンバーグを食べ終えて、7時が過ぎても今日は森宮は帰らなかった。
ずっと二人でくだらない話をしていた。
今日学校であったことや俺が窓から見つけた野良猫の話、上手い暗記の方法。
楽しくて、時間があっという間に通り過ぎていく。
「羽白、中学の時とかどんなのだった?」
「中学…?今とあんまり変わらないと思う。そんなに目立つ出来事もなかったし。」
「彼女とかは?」
「いたと思う…?」
「いや、なんかごめん…」
そう言って森宮がクスクスと笑う。
中学の時は今よりもう少しは明るかったのかもしれない。
胸に突っかかるものも無かったし、それとなく生きてきた。
今よりはずっと自由はなかったけれど。
「そうだ。なぁ、森宮。テスト前泊まりに来たら迷惑?」
「え…?全然、…俺しかいないし。」
「ホント?それならさ、泊まりで勉強しよーよ。そっちのが捗るし楽しいしさぁ! 」
「…森宮がいいなら、やりたい。」
「よし、決まりね。お菓子とか食べながら友達と勉強すんの夢だったんだよなぁ。」
俺、なんかでいいのか?と聞こうとしてやめた。
折角嬉しそうに笑ってる森宮の気持ちを壊したくない。
お泊まりも、勉強会も初めてだ。
…楽しみ。
「な、それじゃあさ。」
「…待って、ちょっとメール。」
「あーはいはい。いいよ。」
机の上の携帯が震えたのに気付く。
少し前まで携帯ショップからのお知らせくらいしか来なかった携帯が最近はよく鳴るな。
まぁ、目の前に森宮がいるから多分それこそ携帯ショップだろうけど。
*1件のメッセージ
『今から行くよ。バカ追い出しておいて。俺が着いても居たらそのバカを殴るからね。』
画面を見て背筋が凍った。
…森宮を、守らなきゃ。
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