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閉じてしまったドアへ手を伸ばしたまま固まる。
これでよかったんだ。
そもそも、原因は俺なんだから森宮を傷つけるわけにはいかない。
行き場のない手をおろし、膝を抱えて座る。
寒い。
1人きりの部屋は心細くて恐怖が募っていく。
あぁ 俺はまた道具のように扱われるのか。
『俺、羽白のことが…』
森宮の声を思い出す。
大丈夫だ、もうきっと1人じゃない。
明日も明後日もまた会える。話せる。
だからこれからどんなに辛いことがあったとしても平気だ。
なぁ、森宮。
俺強い人間になるから。
弱音なんてもう吐かないし迷惑もかけない。
泣いたり震えたりそんなのだってきっとしない。
全部一人で耐えてみせるから。
「だから、…嫌いにならないで。 」
俺に背を向けないで。
もう誰かに嫌われるのは怖いんだ。
いや、違う。
森宮に せめて森宮にだけは
「お邪魔するよ。あ、ちゃんとあのバカ追っ払ったんだ。偉いねーあはは、ブサイクな顔だね。」
森宮にだけは 嫌われたくない。
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