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*sideネオ*
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あの時のレオの怯えた顔が思い浮かぶ。
今まで見たことのない顔。
会えなくなってから、何度も何度も思い出したとびっきりの笑顔が消え失せるほどに酷く目に焼きついている。
父から明日はレオの誕生日だと聞いた。
きっと会わせてはくれないだろうと思った。
「会いたいか?」
父の口からそんな言葉が放たれるなんて想像もつかなかった。
「会わせてやる。」
久々に心が晴れやかになった気がした。
「本当に……?」
「ただし、お前を死ぬ寸前まで痛めつけてからな。」
そうなんだろうと思っていた。
だからさほどびっくりはしなかった。
今から午前零時まで、俺はレオに会うために傷つくんだ。
レオに会えるのなら、そんなのへっちゃらだと思えた。
10分ほど待つと、部屋に数人男が入ってきた。
多分こいつらにやられる。
「ゆっくりゆーっくり痛ぶってあげるからねー。」
愛想のない声が部屋に響く。
そう言った男にビンタをされた。
これまでされた事があって、ビンタなんて痛みを感じないほどになっている。
男がそれにムカついたのか、俺を殴る。
今度は何度も。口の端からは血が流れた。
頬が少しじんじんと痛んだ。
周りにいた男達が俺に近づいてきた。
よく見ると手に光るものを持っているのが見えた。
ナイフ、ハサミ、ノコギリまである。
ナイフやハサミで切られたことはあったが、ノコギリなんて初めてだった。
それらで背中、腕、足、俺の体をどんどん赤く染めていく。
ノコギリで5本の指の根元を骨が見える所までギリギリと切られていった。
感じたことのないほどに痛みが走る。
その痛みに指が千切れたんではないかと何度も確かめる。
蹴られ、殴られ、切られ、
口からも体からも血がドバドバと出た。
床は血で信じられないほどに赤い。
まるでペンキを零したみたいに真っ赤だった。
やっと意識が朦朧としてきた。
もうすぐ終わるんだと思うと、凄く嬉しいことに感じた。
ずっと扉の前に座って見ていた父が「もういい」と言った。
「もう零時を回っている。自力で行け。」
あぁ、もうすぐレオに会える。
心が解放されたように軽くなった。
朦朧としていた意識が不思議とハッキリとしてきた気がした。
体は傷だらけで立ち上がることだけでも尋常じゃない痛みに襲われる。
それでも、早くレオに会いたくて壁を頼りにしながらやっとのことで部屋の前まで来た。
そこで、ふっと思った。
こんな姿で行ったらきっとレオは怖がるだろう。俺を心配するだろう。
昔の俺の部屋へ向かった。
そこには俺が着ていた服が沢山残っていた。
着替えようとしたが、血が止まらない。
なんとか自分で手当てをして、服を着る。
再びレオのいる元へ向った。
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