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恋心
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そうなんだろうか。
近ごろ確かに南倉と居るとドキドキする。事務所を訪問する日は早朝からソワソワする。キスされると、どうにかなりそうになる。事務的なものの筈なのに。
ユキトは自分の気持ちが定まらず不安になり「でも、その人さ」と口を滑らせた。誰かに確認して欲しかったのかもしれない。
「6つくらい年上なんだけど」
「いーじゃん年の差ぁ」
「大人なのか子供なのかよく分からない性格なんだけど」
「いーじゃん一粒で二度おいしい~」
「マイペースすぎて破天荒なんだけど」
「でも好きなんでしょ?」
轟にしてはスパッとした口調。さすがに同性とは告げれなかったが『観念しろ』と言われているようで。
ユキトは小さく、首肯した。真っ赤な顔で床と見つめあっているクラスメイトに轟はニパッと笑う。
ユキトは恥ずかしさで一杯になりながらも吐露して楽になった気がした。少しでも轟に身構えてしまった自分を恥じたい。
そして、ハタと思い出した。「あ、あのさ轟」と意を決して顔を上げる。迷惑ついでに頼んでみようと思った。
「お願いがあるんだ…」
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