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抑制
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「んー、じゃ俺も働いた報告しよっかな。ハイこれ」
そう言うと南倉は今度は紙切れを放って来た。うまく飛ばず床に落ちたソレを『片付けたばっかなのに』と内心で愚痴りつつユキトは拾う。
メモ仕様の紙には何処かの住所と、そして病院名と部屋番号らしきものが書かれてあった。ユキトの目が大きく見開かれる。
「そ、キミの『大切な人』が今いるトコ。一応ね、行ってみたんだ。男達について何かヒント貰えるかもと思ってね。親戚の人が詮索しなくて助かったよ、彼女の友人を騙ってみたら病院名を呆気なく教えてくれた。危機感足りないよね」
稲田の親戚を憂える南倉をユキトは複雑な顔で見上げる。「それで、稲田さんには?」と促した。知らず、手が汗ばんでいた。南倉は棒状のチョコ菓子の包みを開ける。
「うん、本人には会えなかったよ。その可能性も危惧してたけど」
「…病院側のセキュリが堅かったんですか?」
眉をひそめるユキトに「いや」と、探偵はポキッと菓子を折る。
「男の面会は絶対に駄目だって。男性恐怖症かな?会うとパニックを起こして暴れるらしい。酷くなると自傷行為もするって」
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