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抑制
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「でもコレは想像に過ぎないけど、ユキトくんの事だけは彼女は受け入れると思うよ?会いに行くなら行っておいで」
フォローして、くれているのだろう。でもユキトは南倉の方に顔を向けられなかった。今ほど優しくされたくない時は無い。
気まずい沈黙が落ちる。耐えきれなくなったユキトは立ち上がった。
「あの俺、帰りま…っす!?」
そう開いたユキトの口があんぐりとする。しかし、いきなり背と脚を支えに抱え上げられれば無理もない。
俗にいうお姫様だっこをされたユキトは驚きすぎてトキメくどころでは無かった。探偵の突飛な行動に「な、何するんですかッ!?」と慌てる。しかし南倉は悠々と笑んだ。
「まだ時間大丈夫でしょ?デートしよ」
「は…?」
ユキトはポカンとするも、その間にも探偵はドアを器用に足で開け閉めし――鍵は促されるままにユキトが締めた、階段を下りていく。
あまり人のいないビルだが、中学生は誰かに目撃されたらどうしようと気が気でなかった。今でも恥ずか死ねる状況なのだ。南倉の腕や胸板の感触に赤くなりっぱなしである。もう嫌だ、とさっきとは別の涙が出てきそうだった。
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