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罰
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「ただいま時任さん。もしかして門限過ぎちゃった?」
「いえっ大丈夫です。ですが、迎えの連絡が来ないので…長谷部さんも緒方さんも心配しておりました」
長谷部(はせべ)とは朝霧家専属の運転手で、緒方(おがた)は一番キャリアの長いメイドだ。よく見たら門の所にその人達が控えている。二人ともホッとしたように微笑み会釈した。
「…ごめんなさい…」
ただでさえ御曹司は一時期送迎や部屋の掃除――まだ自宅にあったDVDが見付かったら困るから――を拒否して彼らに迷惑を掛けている。ユキトは途端に申し訳なくなり素直に謝った。
でも、そこでプツンと前置きもなく視界が暗転する。そういえば今日は朝早くから動いていた。
時任の慌てる声が遠のく意識の中で微かに聞こえる。また懲りずに心配させてしまうんだな、とユキトは自己嫌悪に陥った。
でも、それでも愚かにも、最後に思ったのはやっぱり南倉の事で。
ようやくユキトが泣けたのは、次の日の夜だった。
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